不動産投資家グループ、サロン等で情報交換する際の注意
収益用不動産を運営している方同士でグループやサロンを構成して情報交換を行うオーナー様が多くいらっしゃいます。
一定の地域、特定の駅付近において収益用不動産を所有されている方を単位とするグループが形成され、メンバーとして情報をお互いにやりとりしているところがあります。また、不動産投資家同士で情報交換できるサロン、友の会などを運営する会社があります。これらに参加し、情報交換をされている方がいらっしゃいます。
「収益用不動産の運営」という共通の事業を展開される方におかれては、入居が何らかのトラブルを発生させた場合における対応方法、良心的な不動産会社やリフォーム会社の紹介、物件の売買に関する事前相談等を気軽に行えるという点で、便利に思われている方が多いと思います。
しかし、以下の内容に関する情報を交換する場合は、仲の良い友人である場合でも注意が必要です。
1.オーナー様が所有する収益用不動産、オーナー様の自宅等の売却話を投稿する場合
「○○マンションの売却を考えています。売却価格について、皆様のご意見をうかがいたく思います。」等の投稿です。
収益用不動産の購入を考えている方の多くは、物件を相場よりもかなり安値で購入したいと考えています。わざと安値を吹聴して自分が購入すること、または知り合いの買い取り業者を紹介し、買い取り業者からリベートを受け取ることを画策する方がいらっしゃいます。
査定価格を知りたいのであれば、収益用不動産の売買を手掛けている不動産会社、または不動産鑑定士に依頼することをお勧めします。
2.不動産会社を利用しないで不動産を売りたいという内容を受けた場合
「○○区の△△マンションのオーナー様が物件を売りたいそうです。ただし、仲介手数料を節約するために不動産会社を通さず、売主および買主同士で取引したいとのことです。」等の話です。
売主が不動産会社を通さないで契約することを希望する場合、物件に何らかの大きな問題を抱えていることが多いです。最も多いのは違法建築です。
違法建築物である場合、金融機関から融資を受けて購入することが困難です。私の会社も東京都区内にある無届け建築の1棟アパートに関する売却話を持ちかけられたことがありますが、取り壊し命令が発令されると莫大な損失を抱える上に、他の方に売却した際には買主様に多大な損失を与えることからお断りしたことがあります。
また、建築確認申請及び完了検査を行った後に無届けで増築した物件があります。部屋数を増やして家賃収入を増やしたいため、1棟マンションの屋上にオーナー様が無届けで部屋を増築した物件、無届けで1階の部屋を取り壊して駐車場に変更した物件等があります。
違法建築物は、行政から取り壊し命令が発令される、または原状回復を求められることがあります。予告なく突然「違法建築物撲滅キャンペーン」等が開始され、行政から取り壊しを命令される、または建築確認の完了検査を受けた際の状態に戻すことを求められることがあります。
その他にも、当該物件の売却話は架空で紹介者が地面師またはその仲間である、レントロールが入居者における実際の状況を反映していない、家賃を滞納し続ける入居者が複数いる、他の入居者との間に日常的にトラブルを起こす入居者がいる、敷地の境界について隣地所有者との間に争いがある、その他の物件があります。
売主が不動産会社を利用しないで売却することを希望する物件は要注意です。
3.「家賃を滞納する入居者を追い出したい」という相談を投稿する場合
いわゆる「追い出し屋」や「追い出しが得意な不動産会社」を紹介されることがあります。しかし、追い出し屋は反社会的勢力の一員がシノギとして行っていることがよくありますので要注意です。
「追い出しが得意な不動産会社」は、「追い出し屋」が 反社会的勢力の一員であることを知りながら、「追い出し屋」を利用していることが多いです。
「追い出し屋」を利用すると、オーナー様が 反社会的勢力から弱みを握られ大変な目に遭うことがあります。私と旧知の間柄であるオーナー様が「追い出し屋」を利用したことにより行方をくらましていることは、以前に投稿したとおりです。一度でも利用したら後が大変です。
地域により、不動産会社が追い出しを積極的に請け負うようですが、追い出された方が訴訟を提起してオーナー様が敗訴した場合、オーナー様は損害賠償責任を負うことになります。
最近は、家賃を支払えない方、追い出しの被害を受けた方等の救済を引き受けるNPO団体があり、顧問弁護士が訴訟を提起することがあります。
「家賃を滞納する賃借人は無一文同然であるから訴訟を提起しない」と考えるオーナー様がいらっしゃいますが、そのような考えは東京都区内では2~3年前から通用しなくなっています。
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