売買物件を現地で販売しているスタッフについて

建売住宅や土地の販売チラシ、ポータルサイト等で気になる物件を見つけたとします。とりあえず、物件の外観だけでも見ておきたいということで、どこの不動産会社にも連絡することなく現地を訪問したとします。

訪問したら、現地に不動産会社の営業担当者がいました。「いらっしゃいませ。よろしければ中をご覧ください。こちらのお客様カードにお名前と連絡先をご記入ください。」と言われました。今日の投稿は、この場合にそのまま内見して構わないかについて書きます。

現地販売のスタッフは、売主の関係者であるとは限らない
現地販売を行っている営業担当者は、売主の関係者であるとは限りません。特に取引態様が「売主」または「代理」の売買物件である物件の場合に多いのですが、売買仲介を生業とする不動産会社から「販売のお手伝いをしたい。現地販売をやらせて欲しい。」と依頼されることがあります。

この不動産会社は、取引態様が「売主」または「代理」の売買物件である場合には両手取引に持ちこみ、売主および買主の両方から仲介手数料をもらうことを考えています。

取引態様が専任媒介または専属専任媒介の場合は片手取引となり、買主からしか仲介手数料をもらえません。それでも立地が良い等、条件が良い物件では「現地販売をやらせて欲しい」との申し出があります。

「現地販売をやらせて欲しい」と依頼する不動産会社の大半は、売主との間に直接的な関係はありません。現地を訪問した方が「内見のお誘い」に応じて内見すると、その方は「内見のお誘いをした不動産会社のお客様」となります。

内見の際には「お客様カード」等に氏名および連絡先を記入するように求められます。このお客様カードが提出されることにより、内見を実施した物件については内見のお誘いをした不動産会社、つまり現地販売をしていた不動産会社が独占的に仲介を行えるようになります。

つまり、「お誘い」に応じて内見すると、以後、その物件の購入に関する商談をする際は、内見をさせてもらった、現地販売を行っていた不動産会社を通して行う必要があります。

知り合いに不動産会社がいて、この知り合いの不動産会社に仲介してもらおうと考えていた場合でも、先に内見を実施した不動産会社がある場合には、その物件の購入に際してはこの不動産会社が独占的に仲介を行うことになり、この不動産会社に仲介手数料(税抜価格の3.3%プラス6万6千円)を支払う必要があります。

気に入っている不動産会社があるからといって、その不動産会社を前面に出し、この不動産会社と売主とを直接交渉させる行為は「抜き行為」と見做されます。成約した場合は、最初に内見を行った不動産会社からも仲介手数料を請求されることになりますので要注意です。

気に入っている不動産会社がある場合
この場合はその不動産会社に連絡し、その会社を通じて内見することをお勧めします。内見の際に、他の不動産会社に所属する現地販売担当者がいる場合でも、無視して内見することが出来ます。

そして「お気に入りの不動産会社」が先に内見を実施したことになるので、成約に向けた商談を行う際は、この不動産会社を通じて行うことになります。現地販売を行っている不動産会社は取引に無関係となります。