賃貸物件の玄関等に「空室あり」の張り紙をする場合

春の繁忙期を過ぎたということで、空室がある賃貸物件のオーナー様の中には「このまま入居者が決まらないのではないか」という不安に駆られている方が多いと思います。

物件に「空室あり」の張り紙をすることは有効か
不動産会社にも入居者の募集を依頼しているものの、オーナー様の中には、自分が所有する賃貸物件の玄関などに「空室あります。1LDK、家賃○万円、連絡先:○○:電話○○○○-○○○○」等と記載した張り紙をされる方がいらっしゃいます。

賃貸物件の多くはレインズやインターネットのポータルサイトに掲載されますので、最終的に入居申込書を提出する方の多くはインターネット経由で空き物件の存在を知った方、または近隣の不動産会社が客付けした方になります。しかし、このような張り紙を行うことは、その賃貸物件の所在地周辺で物件を探している方に対しては有効であると思います。

ただし、自宅の電話番号や携帯電話番号を張り紙に掲載することは避けるべきです。特殊詐欺等に利用される恐れがあるからです。オーナー様において本来の生業がある場合は、その事業所の電話番号を記載することをお勧めします。

オーナー様が張り紙をする際に注意するべき事
張り紙を見た方からオーナー様に連絡があった場合、内見や家賃の金額交渉、重要事項説明、契約書の作成等は不動産会社に任せることを強くお勧めします。

オーナー様に連絡があり、入居を検討している方がその場での内見を希望した場合も、可能な限り不動産会社に任せることをお勧めします。

不動産会社の担当者の到着が遅れる等の理由により、オーナー様が自ら内見に立ち会う必要が生じることがあるかもしれません。この場合はやむを得ずオーナー様が内見に立ち会うことになると思いますが、家賃に関する交渉や入居申込の受付は、口頭であってもその場で行わないことを強くお勧めします。理由の詳細は、こちらのリンク先を参照願います。

なお、このブログにおいて以前に投稿したとおり、内見を装う強盗事件が発生しています。オーナー様が自ら内見に立ち会うことは、なるべく避けることをお勧めします。

また、張り紙を見て内見した方が入居の意思を表明した場合、入居の可否は一切回答せず、その後は不動産会社に対応してもらうことを強くお勧めします。オーナー様が自ら内見を行った場合は、不動産会社に対する仲介手数料が必要になることを説明しておく必要があります。

不動産会社を通さず、賃貸借契約を直接締結したいと言われた場合
キッパリお断りするべきです。家賃保証会社による入居審査の結果、過去に家賃滞納歴がある等の理由により入居不適格になることがありますし、稀ですが特殊詐欺等の犯罪に利用する目的で物件を探していることがあるからです。

不動産会社を利用せず、賃貸借契約をオーナー様と直接締結することを強く求める入居希望者は、不動産会社による入居審査を通過出来ないことを悟っていることがよくあります。

このような方を入居させた場合、家賃を滞納される、特殊詐欺に利用される等の恐れがあります。見た目が良く、物腰が柔らかそうな方でも注意が必要です。不動産会社の利用を拒否する方は、入居をお断りするのが賢明です。

内見した方が入居を希望した場合
内見が終了し、入居を検討している方が入居を希望した場合は不動産会社に直ちに連絡し、できれば車で直ぐに迎えに来るように依頼することをお勧めします。「○○不動産に行ってください。」と言うだけでは、お客様は入居をためらい、お帰りになることがあります。

入居者募集を複数の不動産会社に依頼している場合もあると思いますが、この場合は一番気に入っている不動産会社に連絡すれば良いと思います。