収益用不動産を購入する際における注意点(その5、管理)

収益用不動産の購入に関する投稿は4回で終わらせる予定でしたが、書き切れませんでした。この投稿は5回目になります。本日は、購入後の物件管理について書きます。

サブリース方式が適用される物件の場合、管理はサブリース事業者が全て行うことが通常です。オーナーは何もする必要がありません。

サブリース方式を選択しないで管理を行う場合、管理会社に委託するか、オーナー自身で管理を行うかのいずれかになると思います。管理会社に管理を依頼する場合には、どの管理業務を委託するかを決めておく必要があります。

賃貸管理の内容
概ね以下の通りです。

共有部の定期的な見回り、清掃、その他
主に廊下、階段、エントランスホール、エレベーター内の清掃。
共有部の蛍光管や電球が切れている場合は交換。
自転車置き場がある場合は整理整頓されているか、居住者とは無関係の自転車があるかを確認。
植栽がある場合は見回り、清掃、水やり、剪定(剪定は専門業者に依頼)。
エレベータ-、オートロックの動作確認。異常がある場合は専門業者に連絡。
非常階段および避難路の確認。物品を置く居住者に対する注意。

エレベーター、オートロックの専門業者による点検に対する立ち会い
専門業者が実施する部品交換作業、修理等の立ち会い。

電気・ガス・水道設備・光回線・火災警報器の定期的な点検
実施日を入居者に連絡し、実施日時には在室してもらう。
異常が発覚した場合は、その都度対応。

排水管の高圧洗浄
定期的に行うが、入居者の協力が必要。
実施日を入居者に連絡し、実施日時には在室してもらう。

退去の受付と立ち会い、精算
退去の日時を確認し、退去の月における賃料を日割りで計算。
室内の状態を確認しリフォーム必要箇所を確定。
原状回復費用の中で入居者負担となる金額、および未納賃料は敷金から差し引き、不足が生じた際は請求。

入居者の募集と関連する内容
通常は不動産仲介会社に依頼するが、入居条件について協議。
入居申込書が送られたら、内容を確認して入居の可否を決める。
カギ交換作業への立ち会い。

外壁や屋上の塗装、大規模修繕に関する計画の策定と実施
概ね10~15年に1回程度の大規模修繕が必要になるので、計画を作成して費用を見積もる。

賃料の徴収と督促
各部屋の賃料が確実に振り込まれているかの確認。
振込が行われていない場合は督促。
滞納が続く場合は連帯保証人に請求するか、賃貸保証会社に対応を依頼。

居住者からのクレーム受付と処理
主に室内設備の故障に関する連絡とその対応。
設備の故障が疑われる場合は、オーナーに連絡。状況に応じ、点検及び修理を専門業者に依頼。
修繕および交換の費用はオーナー負担なので、必要に応じ、専門業者に見積もりを作成してもらう。
入居者同士におけるトラブルへの対応。

他にもありますが、割愛します。
全部の項目を自分と家族でこなす、凄腕のオーナーがいらっしゃいます。しかし、その大半は不動産賃貸業を専業で行う方です。不動産賃貸を副業として行われる方は、御自身で全部の項目をこなすことは、まず無理です。

どの項目を管理会社に依頼するかについてを予め考えておく必要がありますが、最後の二つ(入居者からのクレーム受付と処理、賃料の徴収と督促)を管理会社に依頼することが多いです。この場合の管理費は賃料収入の3~5%(徴収賃料をオーナーへ送金する際の振込手数料、および消費税は別途)としているところが多いです。全ての項目を管理会社に依頼する場合には、相応の管理費用が必要です。

また、入居者からのクレームに迅速に対応出来ることを謳う管理会社があります。このような管理会社は、電気または水道設備の故障の場合は365日、24時間いつでも対応可能な電気工事店や水道工事店等と提携しています。
このようなサービスを受ける場合の管理料はそれなりに割高です。さらに、故障等が発生した際の出張費や技術料はかなり高額になることが多いです。

収益用不動産の物件概要書に「管理条件付」と記載されている場合

これは、先日の投稿に記載したサブリース方式を採用する物件か、または本日の投稿に記載した管理項目の全部または一部を管理会社に任せている物件です。管理会社の変更が出来ない旨を管理契約書に規定した物件が多いです。サブリース方式を採用している物件か否か、サブリース方式ではない場合は管理会社が請け負う管理の内容を確認しておくことが必要です。

この場合は管理会社の評判を確認しておくことをお勧めします。WEBサイトの検索だけでもわかる場合がよくあります。