これからは「特殊な賃貸物件」が良い?

インターネットのポータルサイトを参照すると、多数の賃貸物件が掲載されています。しかし、「特殊な物件」はインターネットに公開されていないことが多いです。その例は以下の通りです。

・作曲や楽器演奏の練習が可能な、防音対策がしっかり行われているマンション
・グランドピアノやオルガンを搬入でき、かつ防音対策が施されているマンション(演奏家)
・日曜大工を行うための作業場として利用できる「土間」がある物件
・大型犬の飼育が認められる物件

・親子二世帯で同居するので、ダイニングキッチンが二箇所ある物件
・ネットショップの事務所開設を認めてくれる賃貸マンション
・マンション1階にある庭付きのマンションで、庭に自家用車を駐車できる物件
・1階に洗い場があるマンションまたはアパート(マリンスポーツ愛好家、機材を洗いたい)
・建物の入口をガードマンが24時間監視する、セキュリティーが万全なマンション(芸能人、スポーツ選手)
・大量の衣類を乾燥させるためのガス衣類乾燥機を設置できる物件(スポーツ選手)
・大量の洗濯物を干す場所を確保できる物件(体育大学の学生、スポーツ選手)
・浴室を含め、室内が完全にバリアフリーであるマンション(下肢が不自由な方)

「インターネットで検索しても見つからない。何とか探して欲しい。」ということで、問い合わせを受けることがあります。

ここ数年の間に、賃貸住宅の購入が相続税対策になるとの情報が世間に広く伝わり、賃貸マンションおよび賃貸マンションが数多く建設されました。このため、普通の広さで普通の設備を備えた賃貸物件は巷にあふれています。単位面積当たりの家賃の差はなく、オートロックあり、リフォーム済、日照・眺望良好であることは当然であり、差別化できる要素にはならなくなっています。差別化できる要素は、最寄り駅や主要道路からの距離、建物の築年数、室内の設備(広い浴室があるか、追い焚きがあるか)くらいしかありません。

競争相手が急増したことから、オーナー様の多くは空室対策に頭を痛めています。空室が発生すると、次の入居者がなかなか決まらない物件が増えています。特に最近はコロナ禍であり、感染を恐れることから内見を希望者が激減していることも、空室がなかなか埋まらない原因です。

特に都心では、普通の室内面積であり普通の設備を備え、賃料が付近の相場通りの賃貸物件では新しい入居者が決まりにくくなっています。可能であれば、ライバルの物件にはない何らかの特徴を備えることをお勧めします。

既存の賃貸物件に対し、上述した特殊な設備や条件を備えることは困難かもしれません。しかし、対応することが出来れば空室が早期に埋まるだけでは無く、相場よりも高めの賃料を設定出来る可能性があります。