タワーマンション(区分)はお買い得?

 東京都および神奈川県ではタワーマンション(タワマン)が数多く建築されています。

 一般の区分マンションよりも価格は極めて高額であり、2億円を超える部屋もあります。しかし、売り出し後、程なく完売する物件が多いです。

タワーマンションのメリット

 言うまでもなく、上層階からの眺望はとても良好です。

 駅至近で大型商業施設や商店街が近い場所に建設されており、利便性が良好です。また、新しく豪華な設備を貪欲に採用しています。

 多くは警備体制が万全です。2重オートロックや3重オートロック、最も安全と言われるICカードキー等を採用している物件が多いです。警備員を24時間常駐させているマンションもあります。

 大半の物件は最寄り駅から至近、かつ大規模商業施設や商店街にも近い立地であり利便性はかなり良好です。

 管理人を常駐させているタワーマンションではコンシェルジェサービスを実施しているところが多くあり、居住者の生活はとても便利なものになっています。

 また、相続税路線価がかなり低く抑えられています。このため、相続税の節税対策として購入される方がいらっしゃいます。

タワーマンションのデメリット

 停電にとても弱いです。エレベーターが動かなくなるので大変な目に遭います。武蔵小杉のタワーマンションでは台風により多摩川の水が下水道管を逆流しました。

 このために電気室が浸水し、電気系統が全て麻痺してエレベーターを何日も利用できなくなったことがあります。このようなことが起きた際の不便さは筆舌に尽くしがたいです。

 安全上の理由から、タワーマンションではバルコニーが設けられていないところがほとんどです。仮にバルコニーがあっても住人は外に出られない構造になっています。このため、洗濯物をバルコニーで干せません。

 洗濯物を干す場合は室内干しになるので、室内が湿っぽくなります。布団を室外またはバルコニーで干す場合とは異なり、室内干しでは太陽による紫外線があたらないので殺菌効果が薄くなります。

 一般の区分マンションと比較すると、管理費及び修繕積立金が高額です。特に管理人を常駐させ、コンシェルジェサービスを行っていたり、警備員が24時間常駐しているマンションでは更に高額です。

 外壁の補修や修繕は高所作業であり、水道管や下水管の維持にも多額の費用が発生します。高速での上昇および下降に対応した設計が施されているエレベーターの維持費もかなり高額です。これらの理由により修繕積立金もかなり高額になります。

 朝はエレベーターが大混雑するマンションが多いです。朝の出勤時間帯にはエレベーターに乗りきれないことがよくあり、5~10分以上待たされることは日常茶飯事です。

 やっとの思いでエレベーターに乗り、マンションの玄関から出て駅に到着しても改札口の大混雑により入場に15分以上を要する場合があります。駅の周囲にタワーマンションが複数建設されていると、朝の通勤時間帯に一斉にマンションから出てきた方が駅の改札口に殺到することからこのような現象が発生します。

 大規模修繕も問題です。多くのタワーマンションにおいて、大規模修繕をどのようにして行えば良いのかがわからない状況でした。

 さらに高所作業を行う工事担当者(鳶職人)に支払う費用が高額であることから、本来は築10~15年前後で行われる大規模修繕が先送りされました。築20年近くが経過し、修繕積立金が積み上げられてから慌てて大規模修繕を行うタワーマンションが多いようです。

 あくまでも筆者の個人的な見解ですが、タワーマンションはデメリットが多いです。タワーマンションを購入するよりも戸建て住宅を購入する方が快適かもしれません。