賃貸物件、退去時に残置物がある場合は日割で家賃を請求できます

 賃借人が賃貸物件から退去した後、室内に膨大な数のゴミ袋、家具や壊れた冷蔵庫、洗濯機、大きな箪笥等が残されていることがあります。

 連絡すると「粗大ゴミとして捨ててください。」等と言われる方がたまにいます。しかし、賃貸住宅の運営上発生した廃棄物は産業廃棄物扱いになり、多額の処理費用が発生します。ほとんどの地方自治体が回収しないので、民間の産業廃棄物収集運搬業者に依頼しなければならないからです。

 それにこれらの物品が残されているとクロスの貼り替え等のリフォームを行えませんし、次の入居者募集もできません。

 賃借人に「室内に残置物があると退去したことになりません。家賃が日割りで発生しますので、敷金から差し引かせてもらいます。」と告げると、初めて事の重大さに気付き、慌てて回収しに来る方が多いです。

 冷蔵庫や家具類、多くのゴミ袋等の残置物が室内にある場合は、貸室は未だ賃借人が占有しています。明け渡したことにならないので、オーナー様は残置物が撤去される迄の家賃を請求できます。

 このようなことがたまに起きるので、オーナー様には「近隣に敷金ゼロの物件があっても、敷金ゼロは考えものです。賃料1か月分でも構わないのでお預かりをお勧めします。」と告げています。

 また、「賃貸物件の退去日をオーナー様または管理会社に伝えた後、その期日に退去しなかった場合は日割りの家賃の倍額を請求する」旨を賃貸借契約の特約として記載しておくことも有効です。

 残置物ではないのですが、電気、ガス、水道の供給契約、およびNHKの受信契約を止めることを忘れる方が多いです。新たな入居者が電気、ガス、水道などを開通させるために各供給会社やNHKに連絡した際に判明することが多いです。

 その他には次の入居者が入居しているにもかかわらず、以前の賃借人に宛てられた請求書が届くトラブルがあります。以前の賃借人が郵便局に転居届を出し忘れていることが原因です。

 不動産会社や管理会社は、これらのトラブルに時間を割かれることが多いです。なお、絶対に持って行ってもらわなければならないものを意図的に置いていく、酷い賃借人がいます。本当にオーナー様および不動産会社泣かせであり、「非道」という言葉が的確です。これは明日投稿します。