賃貸物件の入居希望者が決まらない場合(オーナー様向け、その3)

昨日の続きです。

6.大規模リフォームを行う際は、事前に不動産会社に相談することをお勧めします

あるオーナー様が、やや古めの賃貸マンション一棟を購入されました。賃貸物件が多く存在する地域であり、空室が目立つ状態でした。

耐震化工事を行う必要があり、全室をリフォームするという理由で全ての賃借人に退去してもらいました。その後、この物件を特徴付ける必要があると考え、全室をリフォームして女性専用の賃貸マンションにすることにしました。

ところが、このオーナー様は不動産会社には一切相談せず、ある工務店に外壁および内装工事を依頼しました。私も客付けに協力して欲しいとのことで、リフォーム後に案内されましたが、以下の状況でした。

・全ての壁クロスおよび天井は濃いピンク色
・水洗トイレの便器、浴槽はピンク色
・建物の外壁はピンク色
・キッチンユニットは薄いピンク色

女性専用マンションということで、全てピンク色にしたとのことです。入室した瞬間、ピンク色だらけの室内に唖然として言葉を失いました。クロスだけではなく、天井や大半の設備がピンク色なのです。

若い女性が好む色はピンク色ということでこのようにしたのでしょうが、やり過ぎです。リフォーム前に、不動産会社に相談していただければよかったと思います。

これではオーナー様がターゲットとする若い女性は入居しません。理由は説明するまでもありません。

何らかの理由で不動産会社に相談することをためらったようですが、大規模なリフォームを検討する場合は、その前に専門家(不動産会社)に相談するべきでした。とても悔やまれます。

7.間取り図や各部の寸法を記載した図面を持参していただけると、入居者の早い募集開始に繋がります

賃貸物件の入居者は、春先に一斉に入れ替わります。物件の空室情報は、不動産会社に毎日届きます。空室情報をレインズやポータルサイトに掲載する際には間取り図、および部屋面積の表示が必須です。

レインズおよびポータルサイト掲載用の間取り図データは不動産会社で作成しますが、オーナー様において紙の間取り図を持参していただけると参考になるため、間取り図データの早期作成に役立ちます。

部屋の面積ですが、建築会社が作成した建築図面の写しがあると面積を早期に確定できます。

入居者募集を少しでも早く始めるためには、間取り図や各部の寸法を記載した建築図面の写しを不動産会社に持参するのが効果的です。

8.内見の際に、オーナー様の立ち会いは不要です

不動産会社に客付けを依頼している場合、不動産会社の社員が同行しますのでオーナー様の立ち会いは不要です。

オーナー様の中には入居希望者との面談を希望される方がいらっしゃいますが、入居希望者から過干渉なオーナーであると思われ、入居をためらわせる原因になります。それに毎月の賃料を遅れることなく支払い、平穏な生活をしてくれるかについてはオーナー様が面談してもわからないことが多いです。よってお勧めしません。

入居希望者が善良な方であるかの判断は、不動産会社にお任せいただくことで構わないと思います。

善良な方に見えても、得体の知れない集団のたまり場を探している、または振り込め詐欺のような犯罪行為の拠点を探す目的で内見をしていることがあります。自身だけが居住するとしてワンルームを1部屋だけ借り、二段ベッドなどを持ちこみ友人数名で居住する、民泊を運営する、無店舗型風俗業の営業拠点にする等の目的で内見をする輩もいます。

場数を踏んでいる不動産会社の担当であれば、入居希望者と会話をする中で危険性をある程度判断できます。入居不適格であると判断した場合には、入居申込書が提出された場合でも入居不可とします。