売買の対象となる不動産の前がゴミ集積場である場合

 住宅地におけるゴミ出しのルールは地域により大きく異なります。戸建住宅の場合、2~3軒毎に1箇所の集積場を設けていることがあります。また、数軒以上の住宅から発生するゴミを1箇所の集積場に集め、収集するところがあります。

 数軒または10軒以上の住宅から発生するゴミを1箇所の集積場に集めている場合、その集積場は家の前における道路幅が近隣よりもやや広い場所か、ゴミ収集車が駐停車しやすい場所であることが多いです。

 個人が所有する戸建住宅の前、またはその敷地の一部がゴミ集積場とされており、近隣の住民が長年にわたり利用していることがあります。しかし、ゴミ集積場の裏側にある住宅およびその敷地が売買の対象になる場合、このゴミ集積場の存在が問題になることがよくあります。

ゴミ集積場が存在することは、不動産売買の妨げになる 

 不動産を購入する際に、ゴミ集積場付きの物件を購入したいと思う方はほとんどいません。ネズミや野良猫などの小動物やカラスなどの鳥がゴミ袋を食い荒らすことが容易に想像でき、悪臭が生じ、家の前が汚れるからです。

 ゴミ集積場が存在する戸建住宅および土地を売却したいと思っても、買主はなかなか現れません。また、ゴミ集積場が存在する状態で売却しようとすると、買主から大幅な値引き要求が出ることが通常です。

 売却対象の不動産にゴミ集積場が存在することは、販売活動を大きく妨げます。

土地を売却する際は、事前に地方自治体(市区町村)または自治会に相談する

 ゴミ集積場は、集積場が存在する土地所有者の厚意により設置が認められているに過ぎません。長年の間には厚意を継続できなくなることがあります。土地の売却も、厚意を継続できなくなる理由の一つであると考えられます。

 この場合は新しい集積場を探さなければならず、その集積場を利用している住民に周知させる必要があることから、ゴミ集積場を廃止する1~2か月前の時点で当該エリアを管轄する地方自治体(市区町村)に相談する事をお勧めします。地域により、ゴミ収集の件は自治会が担当していることがあります。どちらに相談するかは、地域の慣習に従うことになります。

 ゴミ集積場を設けることを許可している方が、移転先となる新たな集積場を設けることを他の近隣住民に甘受するようにお願いしても、断られることが多いです。地方自治体または自治会を介することにより、近隣住民との無用なトラブルを避けることが可能になります。