法令により、賃貸住宅の税務処理は税理士でなければ行えません

 お客様から、「賃貸マンションの購入後に毎年行わなければならない賃貸経営に関する税務書類の作成、および税務申告を代行してもらいたいが可能か。」という問合せをいただくことがあります。

 「○○町の△△不動産では不動産会社の営業担当社員が税務書類の作成をとても安く代行してくれる。賃貸マンションを所有している自分の友人が利用している。お宅を通して物件を購入した場合、賃貸経営に関する税務書類の作成や申告を安く代行してくれるか。」等の問合せです。

 このお客様によると、△△不動産は友人が中古の賃貸マンションを購入する際に利用した仲介会社であり、毎年行わなければならない税務書類の作成を安く請け負ってくれるとのことです。△△不動産はアフターサービスの一環として行っているつもりなのでしょうが、この行為は税務処理を行う社員が税理士の資格(税理士登録まで必要)を保持していないと違法です。

 税理士が不動産会社の社員、それも営業職として勤務することはほとんど考えられないので、この不動産会社が作成する税務書類は、無資格者が作成している可能性が極めて高いです。

 法令により、税務書類は本人または税理士でないと作成できないことが定められています。税理士ではない無資格者が税務書類を作成して税務署に提出し、記載内容の誤りを指摘された場合、その責任は本人が負わなければなりません。

 場合により修正申告をしなければならず、重加算税を課されるなどの不利益を被ることがあります。この不利益は本人が負わなければならず、税務書類の作成を代行した者に求めることは認められません。

 税務書類の作成が煩雑であると思われる場合は、税務書類の作成および申告を税理士に依頼することを強くお勧めします。

 ちなみに私の会社では、知り合いの税理士の先生が複数いらっしゃいます。お客様が所有されている物件の種類、規模、所在地等に応じ、最もふさわしいと思われる税理士の先生を紹介させていただいています。