円安のため、国内の収益用不動産を外国人が爆買い?

2024年2月27日

 テレビ東京、テレ東プラスのWEBサイト(Yahoo!)から引用します。

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※2024年2月27日追記:リンク先の元記事が削除されたのでリンクを外しました。

超円安でニッポンの不動産が激変!?<意外な場所の意外な物件>が外国人に人気の理由とは?
8/26(土) 12:04配信 テレ東プラス

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郊外の築50年超マンション 外国人になぜ人気!?

都内に次々と建てられるマンションの価格高騰が止まらない。東京23区の新築マンションの販売平均価格が一気に1億円を突破(2023年7月)、バブル期を彷彿とさせる勢いだ。

そんな中、東京・上野の雑居ビルで始まったのは、オンラインチャットによる中国人向けの不動産投資セミナーだ。参加者は北京や上海在住の投資家約6000人で、「港区は他の区に比べて、どんな利点がありますか?」「なぜ、新宿周辺で中野は安いのか?」などの質問が飛び交う。

中国人による日本の不動産への投資が加熱している理由について、セミナーの担当者は、「日本は近いし、日本の資産価値を認めている。アジアナンバーワンです」と話すが、実は中国の富裕層たちが狙っているのは、都心だけではなく、意外な場所の意外な物件だった。

セミナーを仕掛けた不動産会社「YAK」は8年前に設立され、社員約100人のうち9割が中国出身者だ。取締役の孔 良さんは、「契約の9.5割は中国のお客さん。三ノ輪とか小岩、郊外の物件も結構人気。(営業部全体)合わせて、月に約30~40件ぐらいは契約している」と話す。

去年12月。大幅な円安が進行する中、上海でアパレル店を3店舗経営している投資家・朱中臨さんがやって来た。「今、上海の不動産価格は上がり過ぎ。日本のバブル経済の時と同じような状況なので、リスクを避けたい。だから、中国の投資の一部を日本に持ってこようとしている」と話す。そう、朱さんが日本に投資するのには、中国の不動産事情が関係していたのだ。

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中国人投資家は、なぜ今、日本の不動産を買っているのか。一つは(中国と比べた)日本の不動産の割安感で、東京の一等地のマンションでも、北京や上海と比べると、約2~3割安く、香港はなんと半額以下。現在の超円安も手伝って、日本の不動産は“お買い得”になっているという。
もう一つは、中国の国内事情だ。中国経済が弱くなってきたことで不動産市場が冷え込み、不動産で儲けることが難しくなっているという。

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テレ東プラス(Yahoo!)

 ご承知のとおり、特に都心にある収益用1棟マンションやアパートの価格が高騰し、表面利回りが異様に低くなっています。「価格が高騰している」というのはあくまでも日本人側から見た場合の話です。外国人から見た場合にはとてもお買い得に見えるのでしょう。原因は言うまでもなく異常な円安です。

 上記で引用した記事の大要は、都心の収益用不動産を中国人の富裕層が数多く購入しているというものです。この記事を読むと、日本の収益用不動産を外国人が買い漁るパターンが定着しつつあるように錯覚するかもしれません。後述しますが、筆者はあまり心配する必要はないと考えてます。

 どうやら築年数50年を超えた古い物件を購入する等、中国人の富裕層は表面利回りのみを重視して購入している感があります。日本人の不動産投資家で、このような古い物件を購入する方はあまりいません。

 築50年超の建物は建物の傷みが激しく、10~15年程度で取り壊しを考える必要があります。日本では産業廃棄物の処理費用が高額であることから、取り壊しを前提として建物を購入をする方は少ないです。

 また、住宅設備や間取り、設備に対するニーズは、ここ20~30年の間に大きく変化しています。ファミリー向けマンションの場合、20年前は和室を1室設けることが通常でした。また、キッチンを狭くして部屋数を広くすることもよく行われていました。現在は、ダイニングキッチンとしてキッチンスペースと居室を1室にまとめることが通常です。

 ワンルームや1Kのマンションの場合、和室は人気がありません。また、浴室は必須の設備になりました。浴室がない築古の建物に浴室を設けることは極めて困難です。

 現在、インターネットは光回線が通常であり、光回線による接続条件(通信速度等)が良くない物件は賃借人から敬遠されます。しかし、築古のマンションの中には高速の光回線を導入することが建物の構造上の理由により困難な物件があります。

 防犯設備として、オートロックを備えていることは必須です。しかし、古い物件ではオートロックを新たに備えたくても共用玄関の構造に問題があり、設置できないことがあります。

 鉄筋コンクリート造のマンションにおける間取りを変更することは容易ではありません。耐力壁や鉄筋の梁を動かすことは無理であり、貸室の設備や間取りを時代に合わせて更新することは極めて困難です。

 これらの理由により、日本人は築古の1棟マンションやアパートを買いたがらない傾向があります。日本人が購入しない古い不動産を外国人が購入しているという話であり、過度に心配する必要はないと考えます。