物件探しの前は、銀行が開催する住宅ローン相談会に行かない方が良い

今日の投稿は、自分が居住するための戸建住宅、マンションを購入する際に住宅ローンを利用することを検討されている場合、不動産会社に先に行くか、金融機関に先に行くべきかについて書きます。

結論を標題に書きましたが、不動産会社を先にするべきであると考えます。

銀行、信用金庫等の金融機関の多くは、定期的に住宅ローン相談会を開催しています。数年前までは、私も住宅ローン相談会の利用をお客様に積極的に勧めていました。好条件を提示する金融機関、有利なプランををお客様に見極めていただくことが重要であると考えていたからです。

しかし、現在は住宅ローン相談会の利用をお勧めできなくなっています。金融機関の系列である不動産会社の利用を半ば強引に勧められ、この会社を利用すれば仲介手数料を2割引きするとか、ローン利率を少し下げる等の姑息な話を持ちかけられることがよくあり、希望の物件を検討する際に惑わされ、支障を来すことが増えているからです。

仲介手数料の値引きやローン利率を下げることによる減収分を、銀行や系列の不動産会社が負担することはありません。後述しますが、両手取引になる物件を勧める、値引き交渉をしない等の手法により回収しています。

金融機関の住宅ローン相談会において一通りの話が終わると、この金融機関の系列、または提携している不動産会社を紹介されます。住宅ローン相談会の当日に、この不動産会社の営業担当が金融機関に出向いていることはよくあります。

紹介された不動産会社では、この会社が専任媒介または専属専任媒介で預かっている物件を積極的に勧めます。両手取引に持ちこみ、売主および買主双方から手数料収入を得るためです。

「当社が売却を依頼されている、この中の物件から選んでくれたら家電製品を差し上げます。」とか、「この物件を購入していただけるのであれば、○○銀行と自社は提携しているので、○○銀行のローン利率を下げるように交渉できます。」、「今月中に成約した場合には○○万円相当の旅行クーポンをプレゼントします。」等のセールストークを利用するのは常套手段です。この様な目眩ましに遭遇してしまうと、一生に一度程度の大切な買い物の選択肢が狭くなり、思うような物件に出会えなくなります。低金利のローンやプレゼントの期限に迫られ、希望とはかなりかけ離れた物件を購入してしまう原因になります。

また、値引き交渉も積極的には行わないことが多いようです。値引き交渉をして価格が下がると、仲介手数料が下がりますし、値引き交渉をしなければ住宅ローンの貸付金額が上がり、回収する利息を増やせるからです。

A:値引き交渉をしっかり行う代わりに、法律が定める上限(3%+6万+税)の仲介手数料を収受する会社
B:値引き交渉をあまり行わず、仲介手数料は法律が定める上限の仲介手数料から2割引きとする会社

どちらを利用するのがお得なのかは自明です。税抜価格4000万円の物件を例にして検証します。

A:税抜4000万円の不動産を価格交渉により100万円値引きしてもらい、3900万円で買えることになった。
  この場合の仲介手数料(税込)は135万3000円。物件価格との合計は4035万3000円
B:税抜4000万円の不動産を値引き交渉なしで購入した場合の仲介手数料(税込)は138万6千円
  この2割引きは110万8800円。物件価格との合計は4110万8800円

仲介手数料が安くなっても、物件価格の交渉を熱心に行わないのでは大損する結果になります。残念ながら、「お客様の支払総額が多くなっても、受け取れる仲介手数料が増えれば構わない。」と考える営業担当が多いのが実情です。

物件探しの前は、銀行が開催する住宅ローン説明会に行かず、先に不動産会社を訪ねることを強くお勧めします。