相談したいほどに心配な点がある不動産は、購入しないことをお勧め

 筆者のところに寄せられる不動産相談において多いのは「購入しようか、迷っている不動産がある」というものです。多くの場合に何らかの問題点があり、これを承知で購入して構わないかというものです。それもセカンドオピニオンとしての回答を求める内容が多いです。例を挙げると以下の通りです。

相談事例

・ある不動産会社より収益用不動産として都心にある1棟もののアパートを紹介された。問題は建物の裏に鉄道の線路があり、電車の通過音がうるさい。満室時の想定利回りが良好で、かなり安いが購入して大丈夫か。

・収益用区分マンション(ワンルーム)の購入を検討している。不動産会社から紹介された物件は賃貸中で家賃は月7万円、滞納はない。しかし、借主はサブリース事業者であり、実際には毎月5万6千円しか入金しない。管理費および修繕積立金の合計は月3万円を超える。物件価格は約1,200万円であるが、購入して大丈夫か。

・ファミリー向けの区分マンションを1部屋購入し、収益用に利用することを考えている。 ある不動産会社から高級住宅街のいわゆる億ションを勧められている。現況空室で想定賃料は40万円である。「高級住宅街にある物件なので、入居者はすぐに決まると思います。」と言われているが、購入して大丈夫か。

※相談者のプライバシーに配慮し、実際の事案を多少アレンジしています。

 このブログの問い合わせページでは、セカンドオピニオンを求める相談はお断りしている旨を記載しています。それでもセカンドオピニオンを求める相談が多いです。

 そして「購入して大丈夫か」等、購入を後押ししてもらいたいと思える内容が多いです。

 一般論になりますが、他人に相談したいほどに心配な点がある不動産は、購入しないことをお勧めします。上述した全ての相談事例について、筆者は購入をお勧めしません。その理由は、少し考えていただければわかると思いますので敢えて書きません。