築古の木造戸建住宅は雨漏りとシロアリに要注意

 ご承知の通り、東京都およびその近郊では収益用不動産の利回りが著しく低迷しています。表面利回り3~5%程度の物件ばかりであり、これでは事業用ローンを借り入れて購入することは困難です。空室や滞納が発生すればたちまちマイナス収支になり、運営が破綻する原因になります。

 利回りが良好な収益用不動産が欲しいということで、郊外の戸建住宅を購入者がDIYでリフォームする方が増えています。また、郊外で売られている現況賃貸中の古い戸建住宅を購入する方がいらっしゃいます。現況賃貸中の物件であれば入居希望者を探す必要がないことから、賃貸中の物件を探す方が多くいらっしゃいます。

 築古の木造戸建住宅は、雨漏りとシロアリに注意する必要があります。雨水が建物に侵入すると柱や梁が腐食し、強度が劣化します。また、雨漏りが原因で傷んだ部位にシロアリが集まり、繁殖することがあります。

 シロアリが出た場合は出没する部位に対し、直ちに殺虫剤を噴霧する必要があります。発見が遅れると柱や梁を食べ尽くされます。柱や梁に大きな穴が開けられ、内部に入り込むと噴霧した殺虫剤が届きません。このような状況になると柱や梁が激しく侵食され、建物の強度が大きく劣化します。

 シロアリによる侵食が酷い場合は柱や梁を取り替えなければなりません。DIYでは対応出来ないので工務店の力を借りることになりますが、相応の費用が発生します。

 シロアリによる侵食を放置すると強い地震が発生した場合や台風が通過した際に建物が崩落することがあります。建物内の賃借人が負傷すると、多額の損害賠償を請求されることがあります。

 賃貸中の場合、オーナーといえども住宅に立ち入れません。シロアリは知らない間に建物内に侵入し、柱や梁を傷めます。賃借人からの申し出がなければシロアリを発見することは困難です。このため、雨漏りやシロアリを発見したら直ちに知らせてもらうよう、賃借人にお願いすることをお勧めします。