国内における収益用不動産取引に急ブレーキ(その2)

※昨日投稿した内容の続きです。

 昨日の投稿において引用した記事(幻冬舎 ザ・ゴールドライン)によると、東京都内の物件に対する投資割合が高いとのことです。割合は2022年の第一四半期で66%、第二四半期が67%とのことです。それ以前は約5割であったことを考えると東京都内の物件が多く買われているようです。

 「東京都内の物件であれば値下がりしない」とか「空室率が低いはず」等と考え、都内の物件が数多く買われたようです。しかし、現実には表面利回りが3.5~4.5%程度しかない物件ばかりであり、3%未満の物件も売り出されています。

 これでは固定資産税等を支払い、建物及び設備を維持することは非常に困難です。複数の部屋で退去が発生した等の場合に運営が破綻し、マイナス収支になります。東京都23区内で収益用不動産を新たに購入し、運用することは至難の業です。

 表面利回りが3.5~4.5%程度しかない物件は、シンボルステイタスを満足させたい等の理由がなければ手出し無用です。

 「満室にしないと破産する。満室にする方法を教えて欲しい。」等の相談が筆者によくあります。問題点の所在は「東京であれば安心」と思い込み、表面利回りが著しく低い収益用不動産を購入したことにあります。

 「都内であれば家賃滞納がない」、「すぐに満室になる」などと思い込み、都内の1棟マンションを購入した方が多いので驚いています。残念ながら、表面利回りを向上させることは極めて難しいのが現状です。

 ちなみに千葉県、埼玉県、中部・関西圏にある収益用不動産であれば利回り7~10%超の物件が数多くあります。「なかなか満室にならないのでは」と思われる方が多くいらっしゃると思います。特に郊外の物件は、エリア内の人口が少ないことから確かに満室になりにくい傾向があります。

 しかし、仮に入居率8割でも表面利回りは5.6~8%超になります。東京都区内の表面利回り3.5~4.5%程度しかない物件を購入するよりも、はるかに有利です。

 筆者の会社は神奈川県、埼玉県、千葉県、中部・関西圏等で営業している複数の不動産会社と懇意にさせていただいています。東京都以外の不動産情報も積極的に入手しており、高利回りを求めるお客様にご紹介しています。もちろん、相続税対策やシンボルステイタスとする目的で東京都内の収益用不動産を購入したい方にも対応しています。

 このブログではこれまで主に収益用不動産に関する話題を取り上げてきました。しかし、収益用不動産の購入ブームは終息する気配があります。このため、今後は自己居住用不動産(実需用不動産)に関する話題も取り上げます。