繁忙期を過ぎましたが売物件が増えています

※本日の投稿は、東京都およびその近郊における内容です。他のエリアでは該当しないかもしれません。

 例年、1~3月の繁忙期が過ぎると、売物件は少なくなります。ところが今年は4月になってから新しく公開される売物件情報が例年よりも多い感があります。

 コロナ禍のために行われた緊急融資(いわゆるゼロゼロ融資)の返済が既に始まっています。しかし、景況感はコロナ禍になる前の状態とはほど遠いです。売上げが伸びず、利益が出ない状況に陥っている企業が増えています。

 さらに2024年4月から残業規制がスタートしました。業種により従業員を新たに雇用しなければならないところが増えています。運転資金を捻出するため、法人所有の不動産における売却案件が増えています。

 また、各種報道によると特に中小企業において、賃金カットや中高年の社員に対する肩たたきが増えています。解雇や賃金カットが行われたために住宅ローンの返済が出来なくなり、やむなく自宅を売却する方がいらっしゃいます。

 コロナ禍でも安定した賃料収入を得られるという理由で、収益用不動産に対する人気が集中する時期がありました。しかしコロナ禍が落ち着いたことから利回りの低い収益用不動産を売却し、売却資金を本業に再投資する動きがあります。

 現在、東京都内でも空き家が増えています。既に自宅を所有している方が実家を相続した場合に、実家を売却する方が増えています。建物が朽廃し、特定空家と認定された場合は土地における固定資産税および都市計画税の減免を受けられなくなりました。このことも不動産の売却案件が増えている理由と考えられます。

 売物件が増えている理由は他にもありますが、省略します。

 今後、不動産の価格が下がるかが気になります。立地が良くない、傾斜地、市街化調整区域内、再建築不可等の物件は価格が下がると思われます。

 しかし、これらの要素がない不動産の価格は下がらないと思われます。資金力がある不動産会社が買い取り、市場流通価格で売却するからです。