1ドル158円、外国勢による不動産購入は今後も増加か

2024年4月28日

 ご承知の通り、円安が止まりません。4月27日の時点では1ドル158円前後で推移しています。少し前まで120円前後でしたから、30%以上も安くなったことになります。

 円安のため、外国人観光客が大挙して観光地を訪れています。各種報道によると今年のゴールデンウィークはどこの観光地も混雑し、その多くは外国人という状況になりそうです。特に京都では混雑が激しくなり、路線バスやタクシーに乗れない方が続出しそうです。

 テレビでは観光地の混雑ばかりが報道されています。観光地の混雑だけではなく、今後は外国人による不動産購入が急増することが容易に想定されます。外国の方から見た場合、円安により日本の不動産の大幅値下げセールが始まったと言える状況です。

 収益用不動産の場合、利回りが低迷しているのでインカムゲイン(賃料収入)は低いです。しかし、長い間に円高になれば、売却により莫大なキャピタルゲイン(ドル建ての資産価値)を得ることができます。

 円安を利用して観光地の寄宿舎等を安く購入し、外国人専用のホテルや旅館に仕立てれば大きな利益を狙えます。観光地では土地についても外国人向けの別荘建設用地としてこれから購入されることが考えられます。

 今後、円安がどこまで進むかですが、近いうちに円高になる要因はあまりないようです。日銀による為替介入が期待されています。しかし、介入しても数日のうちには介入の効果は無意味になり、円安がさらに進むことが想定されます。このままだと1ドル180円という状況も考えられるようです。食料品、電気料金、ガソリンなどの大幅値上げは避けられません。

 物価の上昇により、日本では自宅の購入を諦める方が増えています。多くの企業は消費税の増税とコロナ禍により大きな痛手を被っており、特に中小零細企業において廃業や倒産が増えています。従業員の給与を上げたくても上げられる状況ではなく、逆に賃金カットが増えています。

 このような状況なのに、政府及び財務省は最終的に消費税を19%迄上げることを検討しているというのですから狂気の沙汰です。

 さらに、外国勢が収益用不動産等を買い漁るという悪夢のような状況になるかもしれません。日本人が利用する賃貸マンションおよび賃貸アパートのオーナーが外国人になると、家賃収入は外国に流れます。日本の経済を活性化させるためには資金を日本国内で循環させる必要がありますが、循環しなくなります。すると日本の景気は確実に悪化します。

 円安の原因は、日銀が政策判断を誤ったからであるとする見解があります。確実に言えることは今後も円安が進み、外国勢による不動産購入が増えることです。すると都心や観光地における不動産価格が大きく上昇します。自宅の購入を諦める方がこれから急増することが懸念されます。