不動産会社において、お名前や連絡先をお尋ねする理由

2020年9月16日

物件情報が欲しいと言われて来店されたお客様に対し、お名前や連絡先をお尋ねしても、「私の個人情報は言う必要が無い。資料をもらえればそれだけでいいのだから。」等と言われる方が増えています。

物件資料の一覧表を送って欲しいという問合せがメールで届くことがあります。名前とメールアドレスしか記載が無く、どのような物件が欲しいのかは全く書いていないことがあります。この方に、ご希望の条件を教えて欲しい旨のメールを返信しても、回答される方はほとんどいません。

現地待ち合わせの内見が申し込まれる際も、お名前や電話番号を言いたくないという方が増えています。

来店して内見を希望される際に、偽名を使用していることを告げる方がいます。「今回の内見では○○さんと呼んでください。これは本当の名字ではありません。本当の名前と電話番号は、買うことを決めた際にお教えします。」と言われました。申し訳ありませんが、この方には内見をお断りすることになります。

お名前や連絡先をお訊きする理由を丁寧に話しても、納得していただけない方が多いです。しつこい営業活動をされる、自宅に訪問される等を避けたいのかもしれませんが、お名前及び連絡先をお尋ねするのには理由があります。一般の方にはあまり周知されていないようなので、本日はこれについて書きます。

1.レインズの利用規約が、お客様の氏名および連絡先の確認を求めている

物件の探索依頼を受けた場合、通常はレインズを検索して探索します。レインズに掲載されていない非公開物件もあります。しかし、以前に書いた通り、その数はかなり少ないことから最初はレインズ掲載物件の中から探すことになります。レインズ情報取り扱いガイドライン(公益財団法人 東日本不動産流通機構)より引用します。

B-1.広告掲載・宣伝告知等
会員は、物件情報を広告掲載・宣伝告知等する場合、次の条件をともに充たす必要があります。
①元付(登録)業者の承諾を得ていること
②広告掲載物件の承諾方法と物件番号を適正に管理すること

B-2.依頼者への提示・提供
B-1.の広告掲載・宣伝告知等以外において、物件情報を外部に開示できるのは依頼者に対して提示・提供する場合のみとします。その場合、次の条件をともに充たす必要があります。
①依頼者の購入等の意向の確認および条件の把握がなされていること
②会員が依頼者の意向および条件に沿って選択したうえで提示・提供すること

※「会員」とはレインズを利用できる不動産会社、不動産業者の意味

B-2については、以下の説明があります。

○提示・提供する相手方を依頼者と言うためには、双方向のコミュニケーションを取ることができる状態で、購入等の意向を確認し、条件の把握がなされていなければなりません。
○依頼者への物件情報の提示・提供は会員が物件の確認をしたうえで行わなければ依頼者の不利益となるので、無分別な提示・提供はできません。依頼者の意向および条件に沿って、会員が選択して行う必要があります。物件情報の検索システムやデータベースを作成し、情報の選択を依頼者に任せてしまうこともできません。

お客様の個人情報を確認せずに「購入等の意向」を確認をすることは不可能です。確認したと言えるためには、購入等の意向を示したのが「誰」なのかが明確である必要があります。従って、お名前や連絡先をうかがうのは当然であることになります。

本題からやや外れますが、物件の一覧表をお渡しする行為は、上記の説明における情報の「無分別な提示・提供」に該当します。よって、レインズに掲載されている物件の一覧表を作成したとしても、それは会社の内部資料であり、お客様にはお渡しするべきではない資料です。

現在、レインズのデータから一覧表を作成して配布する、レインズのデータをネット上で登録した会員のみに閲覧させる等を行う不動産会社が散見されます。

しかし、2021年1月からは、レインズに掲載されている物件情報をCSVデータとしてダウンロードすることが一切出来なくなります。このため、レインズのデータを一覧表や会員制WEBサイト等で提供する不動産会社はなくなると考えています。

2.忘れ物をされた場合に問題になる

来店や内見の際に忘れ物をされるお客様がおられます。説明や相談に夢中になることから、普段は忘れ物をされない方でも携帯電話や傘、帽子等を忘れることがあります。お名前や連絡先がわからないと、忘れ物をお返しできません。

3.お探しの条件に合致する不動産が新たに売り出された(貸し出された)場合の連絡に必要

ご来店されても、その場ではすぐにご希望の条件に合致する不動産を紹介できないことがあります。このような場合でも後日、希望の条件に合致する不動産が突然に売り出される、または貸し出されることがあります。

このような場合に、氏名や連絡先を告げていないために情報を入手できないことは、お客様の不利益になりますし、不動産会社としても販売機会の損失になります。

★他にも理由がありますが、長くなるので割愛します。

自宅への訪問や営業活動は困るというのであれば、その旨を不動産会社に伝えることをお勧めします。良心的な不動産会社であれば、お客様の希望通りに対応してくれると思います。

お探しの条件を不動産会社によく伝えておくことで、希望の条件に合致する不動産の情報をピンポイントで得られるようになりますし、営業活動を受ける頻度も減ります。