3月末に空室がある賃貸物件オーナー様は要確認

 3月末が近づき、間もなく繁忙期が終わります。ご承知の通り、賃貸物件において賃借人が退去した場合、リフォーム後に新たに入居者を募集することになります。

 現在(3月末)も空室である物件のオーナー様におかれては確認をお勧めしたいことがあります。

●物件情報がレインズおよびポータルサイトに掲載されているか

 貸主および借主の双方から仲介手数料を得たいとして、意図的にレインズやインターネットポータルサイトに掲載しない不動産会社が存在します。

 また、営業担当がインターネットおよびパソコンの取り扱いが苦手であり、物件紹介図面をパソコンで作図できないことからレインズやポータルサイトに物件情報を掲載しない不動産会社があります。

 このような不動産会社は事務所を訪問したお客様のみに物件情報を伝えます。しかし、賃貸物件を探す主な方法はインターネットであることから、物件情報がインターネットポータルサイトに掲載されないと、いつまで経っても借主が決まりません。

 物件情報をレインズに掲載してもらうことも重要です。他の不動産会社にも物件情報を提供し、お客様のご希望が賃貸条件に合致する場合に当該物件を紹介してもらうべきです。

 物件情報をネット上に展開出来ない不動産会社に客付けを依頼しても時間の無駄です。このような不動産会社に客付けを依頼しているオーナー様がいらっしゃいましたら、媒介契約の解約をお勧めします。

●設定されている賃料が相場を逸脱していないか

 どのエリアでも家賃には相場があります。新築物件、またはペット飼育可の物件では相場から10~15%増額した家賃を設定できますが、それ以上の増額は無理です。

 オーナー様から「以前はその家賃で入居してもらっていた」等と言われ、相場の3~5割増しの家賃で入居希望者を募るように依頼されることがあります。しかし、そのような家賃を設定しても入居する方は誰もいないと考えるべきです。

 家賃相場は時々刻々と変化しています。適正な家賃相場を不動産会社に確認し、家賃を相場通りに設定しないと借主は決まりません。

●室内に異様なリフォームをしていないか

 リフォーム業者に勧められるまま、常識では考えられないリフォームをしたために入居者が決まらないことがあります。

 具体的には女性専用の賃貸マンションにおいて、室内クロス、トイレの便器、システムキッチン、玄関扉(室内側)を全てピンク色で統一した物件に遭遇したことがあります。

 オーナー様によると、「女性が気に入る色はピンク色だと聞いたのでピンク色にした」とのことです。

 また、若い単身者の男性に入居してもらいたいとして、クロスや便器、床のフローリング、カーテン等を黒色で統一した賃貸マンションがありました。普通の感性を持っている方であれば、ほぼ間違いなく入室した途端に気が滅入ります

 これらのミスマッチは、オーナー様がリフォーム会社に内装工事を直接依頼したことにより生じることが多いです。管理している不動産会社がある場合は、意見を求めることをお勧めします。

●残置物がある、またはハウスクリーニングが未了ということはないか

 前の入居者が残していった物品が置かれていることがあります。多いのはテレビや食器棚等です。これらは退去の際に全て搬出してもらうべきです。

 これから物件を借りようとする方は、前の入居者による残置物の存在を嫌います。

 室内の汚れが酷く、目も当てられない物件があります。多くの場合、繁忙期であることから清掃業者を手配できないことが理由です。しかし、「繁忙期で清掃業者を手配できないからハウスクリーニングが未了」と説明しても無意味です。「オーナーや管理会社の力不足」と思われるだけです。

 ハウスクリーニングを行っていない、室内が酷く汚れた物件で入居希望者を募ろうとしても無理です。清掃業者は一つだけではありません。必要に応じ、オーナー様が自ら率先して早く対応してくれる清掃業者を片っ端からあたるべきです。管理会社等に任せきりにすると、入居者が決まらないことにつながります。

※次回の投稿に続きます。