収益用不動産のリフォーム内容は細かく相談することを推奨

※相談事例です。プライバシーを尊重するために、相談内容を一部アレンジしています。

 本日紹介する内容は漫画みたいですが、実際に発生した事案です。

 収益用不動産のオーナー様の大半は、入居者が退去した際に次の入居者を早く決めたいとして考えます。入居者が退去した際に不動産会社を呼び、リフォーム箇所を相談の上で決めた上で工務店、またはリフォーム会社に発注する方が多いと思います。

 私に相談を持ち込んだA氏は賃貸マンションのオーナーです。単身者用の1Kに長年入居していた方が退去しました。この部屋は広さ約8畳の洋室とミニキッチン、浴室、トイレで構成されています。

 退去後に内部を確認したところ、フルリフォームを行う必要があると考えたそうです。壁クロスは日焼けと汚れが酷く、トイレの便器にはひびが入り、ユニットバスおよびキッチンユニットは汚れが目立ち、ハウスクリーニングだけでは綺麗にならないと判断したそうです。

 いつもは客付けでお世話になっている不動産会社と相談してリフォームの内容を決めるのですが、今回は不動産会社に相談することなくリフォーム業者に依頼したとのことです。不動産会社を通さずにリフォーム会社に直接発注すれば工事費が少しは安くなるかもしれないと考えたからだそうです。

 A氏がリフォーム会社に相談したところ、「全面的に任せていただいて大丈夫です。」と言われたとのことです。本業が極めて多忙であったことからリフォーム内容に関する打ち合わせをほとんど行わず、見積もりも取らなかったとのことです。

 A氏はリフォーム工事が終わった後の室内を見て唖然としたそうです。若い単身者の間で流行している色は黒色であり、衣服も黒色が好まれているので室内を徹底的に黒色でまとめたとのことでした。壁および天井のほぼ全てに黒色のクロスが貼られ、トイレの便器も黒色のものに取り替えられ、ユニットバスや洗面台も黒系統の色のものに交換されていました。フローリングの床板も黒色のものに貼りかえられ、トイレの扉および玄関扉の内側も黒色に塗り替えられていました。

 何となく嫌な感じがしたものの、リフォーム工事が終了したのでいつもお世話になっている近所の不動産会社に入居者募集を依頼したところ、「リフォームの内容が異様です。これでは入居を希望する方は誰もいないと思います。リフォーム会社に発注する前に相談してくれれば良かったと思います。申し訳ありませんが、このままの状態での入居者募集はお受け致しかねます。」と言われたとのことです。

 賃貸物件において入居者が早く決まるために必要な要件は、いわゆる万人受けをする内装および設備を備えていることです。しかし、たまたまリフォーム会社の担当者が黒色を強く好む感性を有しており、リフォーム内容の打ち合わせをしなかったことからミスマッチが発生しました。

 A氏は「どうしたら良いかわからない」とのことで相談に来られました。しかし、この部屋は一歩立ち入るだけでで気分が滅入る状況であり、入居者が決まるまでには年単位の期間を要すると思える状態でした。このため、万人受けする内容のリフォーム工事を追加で行うしかないとお伝えしました。追加で発生したリフォーム費用はかなりの金額でした。

 いけなかったのは、A氏は本業が多忙であったことからリフォーム内容に関する詳細な打ち合わせをしなかったことと、見積もりを取らなかったことです。

 収益用不動産をリフォームする際は、工事の内容は細かく相談することを強くお勧めします。