郊外の朽廃した1棟アパートを購入することの是非

 収益用不動産には様々な種類があります。1棟マンションおよび1棟アパートはその代表格です。最近、物件の仕入れコストを大幅に少なくするために郊外の空き家(戸建住宅)を購入し、自力でリフォーム(DIY)して貸そうとする方が増えています。

 また、火災等の場合に土地の価値がほぼゼロになることからあまりお勧めできないのですが、再建築不可の土地上にある戸建住宅を購入し、賃貸用戸建住宅として運用している方がいらっしゃいます。

 現在、郊外には長期間リフォームをされておらず、入居者が少ない築古の1棟アパートがかなりあります。このような物件を購入してリフォームし、貸すことをお考えになる方がいらっしゃいます。

 今日は、郊外の築古かつ入居者が少ないアパートを購入して運用する際の問題点(というか、運用が可能なのか)について解説します。

 特に千葉県南部および外房、埼玉県北部には建物が朽廃し、放置されているに等しい状態の1棟アパートがよくあります。大半の方が退去し、1~2部屋しか入居していないという物件があり、とても安く売られていることがあります。

「掘り出し物」と思っても、安易に手を出してはいけない

 安くてお買い得であると思っても、手を出してはいけない場合が多いです。入居者が極めて少ない理由を調べる必要があります。

 「設備の故障にオーナー様が一切対応しないので入居者が次々に退去した」というパターンが多いです。入居者から「エアコンが動かなくなった」、「雨漏りがする」、「給湯器からお湯が出ない」等のクレームが来ても一切対応しないオーナー様がいらっしゃいますが、このようなオーナー様が所有する物件では入居者が次々に退去します。 

 多くの部屋で設備が故障して放置されると次の入居者を募集できない状態になり、入居者が激減します。最終的には入居中の部屋が1部屋又は2部屋しかなくなることがあります。さらに、その後は雨漏り等が生じても放置されるようになることがあります。雨漏りを長期間放置すると屋根下が浸食され、柱や梁が大きく損傷します。損傷を受けた柱や梁は修理、または交換しなければなりませんが、特に交換の場合は多額の費用を要します。

 築古で朽廃しかけている建物は、修繕するより再建築した方が安上がりであることがよくあります。このような物件は「買ってはいけない物件」と言えます。

 オーナー様が修繕費を捻出できない理由は、当該エリアにおける家賃相場が極めて安価であることに原因があることが多いです。物件が所在するエリアにおける家賃相場が極めて安くても、家賃相場に合わせなければ入居者が現れないので仕方なく低廉な家賃での入居を認めることになります。しかし、設備の維持費や固定資産税などを支払うと赤字になることがあります。

家賃相場を決める要因

 家賃相場はそのエリアの利便性と人気で決定されると言えます。大型商業施設に近い物件、高頻度で運転される鉄道の駅近である物件等は高く評価されますが、過疎地で利便性が劣るエリアの家賃相場は安く評価されます。

 最寄り駅や大型商業施設から車で30分を要し、路線バスも通らないか、路線があっても運行本数が少ないエリアの家賃相場は特に低いです。このようなエリアにあるワンルームの賃料は2万円台であることがよくあります。

結論

 郊外の朽廃した築古のアパートは、その物件が所在するエリアにおける家賃相場が極端に安いことが多いことから家賃をかなり安く設定する必要があるので要注意です。賃料相場が安いことから維持費および固定資産税を捻出できない物件が数多く存在します。

 また、月賃料が極めて安いアパートではいわゆる「属性」が低い方が入居することがよくあります。

 郊外の国道や県道沿いにこのようなアパートが散見されることがありますが、車を利用する方の需要があるように見えても家賃相場があまりにも安いエリアにある物件は、購入を控えるのが賢明です。