首都圏における新築マンションの価格が異常に高騰

 朝日新聞のWEB記事から引用します。

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首都圏マンション価格、バブル超え過去最高 「億ション」2760戸

2022年1月26日 6時00分 朝日新聞

 首都圏のマンション市場の高騰が止まらない。2021年に売り出された新築マンションの平均価格は、前年より2.9%高い6260万円で、1973年の調査開始以来、最高となった。不動産経済研究所が25日発表した。高値を引っ張るのは、2人で住宅ローンを払う共働き世帯だ。

 これまでの最高値は、バブル期の1990年で6123万円だった。1平方メートルあたりの単価も93.6万円と、90年の93.4万円を上回った。1億円を超える「億ション」の販売数は2760戸で、2020年の1.5倍に増えた。

 発売月の契約率は73.3%で6年ぶりに7割を超え、人気物件がすぐに完売する傾向が顕著だ。運用目的の投資家や、億ションを現金で買う富裕層に加え、増えているのが「パワーカップル」と呼ばれる高収入の共働き世帯だ。

~以下略~

朝日新聞

 首都圏、特に山手線の内側と山手線の各駅から徒歩圏内にある新築マンションの価格が異様に高騰しています。特にコロナ禍に陥ってからは値上がりが顕著です。

新築マンションの価格が高騰している理由

以下の理由であると考えられます。

1.マンションを建設するためには相応の広さが必要であり、さらに地方自治体が定める都市計画において高層建物の建設が認められる場所でなければならないが、そのような土地は出尽くしている。

2.土地が少ないことから、多くのマンションディベロッパーは土地の獲得競争を行っている。高層建築物の建設が可能であり、相応の広さがある整形地は入札により買付業者を決定することが多い。そして入札で売却される場合、市場流通価格の2~3割増しになる。このため、販売価格に反映される。

3.コロナ禍であることから建築資材および水回り部材、主に東南アジアなどから輸入する部材の供給が困難であり、建築価格が高騰化している。

新築マンションは、今後も高騰し続けるか
 マンション建設用地の不足を解決する方法はありません。マンションを建設できるエリアは限られており、そのエリア内である程度の広さがある土地でなければなりません。このため、「需要が減少しない限り」、マンション用地の価格は今後も上がり続けると思われます。

 建設資材、水回りの部材については、コロナ禍が終息すれば供給量が増え、価格は下がるように思えます。しかし、円安が少しずつ進行していることから原油価格が高騰し、鉄鋼、海外からの輸入資材および部材の価格が上昇します。全体的に見た場合、新築マンションの価格は「需要が減少しない限り」上昇し続けると思われます。

国際情勢により、需給関係が大きく変化する可能性あり
 最も懸念されるのはロシアがウクライナに侵攻し、東西が全面的に対決する戦争が勃発することです。このようなことが起きれば株価が大きく下落し、上場企業は資金を調達できなくなります。

 国内企業の業績は急激に悪化し、高所得の方においても賃金がカットされる恐れがあります。すると、都心における高額な新築マンションに対する需要の減少が避けられません。特に「億ション」と言われる高価格帯の物件に対する需要は激減するかもしれません。

 景況感が悪化したために需要が減少した場合、マンションディベロッパーは、主に山手線の外側において価格帯の安いマンションを建設すると思われます。

 山手線の内側などの地価が高価なエリアにおける建設は、中止することが考えられます。高価格帯のマンションを建設しても従来の価格では売れず、価格を大きく値下げしないと売れないからです。