ウッドショック緩和の兆候が出てきました

 このブログの過去記事に掲載していますが、アメリカでは新型コロナウイルス感染症に対応するためにリモートワークを推進したところ、住宅新築ブームが発生して木材の需要が急増しました。

 さらに、日本国内のハウスビルダーにおいては新築戸建住宅の需要が減少すると予想し、アメリカおよびカナダに対する材木の注文を控えました。

 このため、日本向けの木材供給が停止に近い状況になりました。アメリカおよびカナダに後から注文を入れても受け付けて貰えないという状況に陥ったのです。

 木材の輸入が停止した場合には日本国内の木材を利用すれば良いかというと、そうはいきません。価格が高額すぎる上に、生産量が少ないからです。パワービルダーが建築する新築住宅には利用できません。

 このため、材木不足と価格高騰が半年以上続いていました。しかし、ようやくウッドショック緩和の兆しが見えてきました。

以下、日本経済新聞記事から引用します。

※掲載社の都合により元記事が削除され、リンクが切れることがあります。あらかじめ御了承願います。

カナダ産製材品2年ぶり下落 ウッドショック緩和の兆しも
米市場急落で 国内は高値圏、なお住宅コスト圧力

2021年9月29日 20:30

住宅の壁や床に使うカナダ産木材の対日価格が2年ぶりに下落に転じた。製材品の10~12月期価格は7~9月期に比べ2割安い水準となった。世界的な木材高騰「ウッドショック」を引き起こした米国で相場が急落したことが大きい。国内でもウッドショックに緩和の兆しが出つつあるが、依然高値圏のため住宅業界のコスト負担は当面重い。

~以下、有料会員専用記事のため略~

日本経済新聞

 先進諸国の多くにおいて新型コロナウイルス感染症の感染者数が減少し、経済活動が徐々に開始されています。これに呼応して価格が下がった感があります。

 なお、現在は日本に輸入される木材の価格が下がり始めた段階であり、価格が下がってきたことを実感できるのは年末以降になると思われます。

 対日価格が約2割安くなっても決済が行われ、製材されて日本に輸入され、更に日本国内の製材所において加工され、商品として販売される迄には2~3か月程度を要するからです。

 材木価格が新型コロナウイルス感染症の流行以前における価格帯にまで値下がりするかは、現時点ではまだ不透明です。

 なお、原油価格が高騰していることからガラス、壁材などの部材がかなり値上がりしています。木造の建物の建築だけを考えるのであれば、建築を来年以降にした方が安く建築できるように思えます。しかし、材木以外の部材費は高騰したまま推移するかもしれません。

 コロナ禍になる前の建築費で建物を建築することは、原油価格が下がらないと期待できないと言えます。