ガスコンロ、給湯器、温水暖房便座等の供給不足が深刻化

 各種報道によりご承知のことと思いますが、新型コロナウイルス感染症の流行が終息しないことから特に外国で生産している部材が供給不足に陥っています。その理由は、新型コロナウイルス感染症の流行により工場が閉鎖されたことから部材の生産ができないことにあります。

供給不足の部材

 主に供給不足に陥っているのはガス給湯器、給湯器用リモコン、浴室暖房換気乾燥機、ガステーブルコンロ、食器洗い乾燥機、トイレ用部材であるウォシュレット等の温水暖房便座等です。メーカーにおいて欠品しているので、工事業者側では為す術がありません。

盗まれる事件が頻発

 建築中のアパートにおいて、やっとの思いで給湯器などを調達し、室内に取り付けて建築確認申請における完成検査を行おうとしていたところ、真夜中から早朝の間に全て盗まれてしまう事件が頻発しています。

 新品の給湯器を狙った窃盗犯が登場しています。どこかで転売して儲ける魂胆なのでしょう。

供給不足はいつまで続くか

 部材の欠品がいつまで続くかが気になりますが、新型コロナウイルス感染症のオミクロン株が終息するまで、欠品が続くかもしれません。ウクライナ情勢が悪化した場合、船舶輸送に支障が生じる可能性があることから欠品状況は更に長期化する恐れがあります。

 水道配管、玄関ドア、室内ドアについても品不足が生じていますが、これらについては少しずつ改善しているようです。ただし、ドアノブなどの部材の中には供給不足のものがあるようです。

誰が困っているか

 本当に困っているのは新築のアパートやマンションを建築する施主および建設業者です。部材が入荷し、取り付け工事を行わないと建築確認申請における完成検査を行えません。完成検査が完了しないと賃貸物件として貸し出すことも、分譲マンションとして販売することもできません。

 建設業者は、建築確認申請における完成検査が終わらないと、施主に対し建築代金を請求できません。建築費用を銀行による融資で支出しているところでは、建築代金を回収できないと銀行に対する返済ができません。

 部材不足が長引いていることから、当初は想定していなかった損害を被っています。 

 不動産会社も困っています。「新築の戸建住宅を注文住宅として建てたい」というお客様に対し、土地を紹介しても建物の引き渡し時期を見通すことができないからです。