住宅の売却、「居住中」・「空家」のどちらが良いか

 新年になり、不動産取引の繁忙期に突入しました。

 販売されている中古戸建住宅および中古区分マンションの現況を確認すると「居住中」の物件と「空家」の物件とがあります。住宅を売却して買い替える場合、どちらの状態で販売すれば良いか迷われる方が多いと思います。

 不動産会社に相談すると、多くの場合に「売却に際してはどちらでも構いません。お好きな方をお選びください。ただし、先に引っ越すと仮住まいに入居するために家賃が発生します。」等と言われることが多いようです。

 しかし、下表に示す通りの違いがあります。

項目「居住中」で売却「空き家」で売却
売却までの日数長くなりがち
即時入居を希望する購入希望者は選ばない
「居住中」より短期間で売却可能
売却価格隠れた瑕疵の存在を懸念した値引き要求あり正当な評価を受けられる
内見売主様の立ち会いを求められる売主様の立ち会いは不要
売却後のトラブル隠れた瑕疵が見つかる頻度が多い
明け渡しがスムーズに行われないトラブルが発生
瑕疵が提示された上で売却される
明け渡しに関するトラブルは生じにくい
「居住中」で売る、「空き家」で売る、いずれが有利か

 上表に記載した内容は主に東京都23区内および神奈川県東部、埼玉県南部、千葉県西部において該当します。他のエリアでは該当しないことがあることをお断りしておきます。

 個人用の住宅売却では、明らかに「空き家」で売却する方が得なように思えます。しかし、「空き家」で売却すると仮住まいに入居するための家賃・仲介手数料・引越トラック代等が発生します。