原油価格の高騰に伴い、建築資材の価格が大きく値上がり

2021年11月5日

NHK NEWS WEBの記事から引用します。

※掲載社の都合により元記事が削除され、リンクが切れることがあります。あらかじめ御了承願います。

建築資材など住まい関連商品 相次ぎ値上げ 消費回復への懸念に
2021年10月5日 19時59分

「緊急事態宣言」が全面的に解除され経済活動の回復が期待されていますが、懸念されるのが原材料価格の高騰によるさまざまな商品の値上げです。
住宅やインテリアの業界では、建築資材や壁紙などが相次いで値上がりしていて、専門家は住まいに関わる「物価高」が消費の回復に水を差しかねないと指摘しています。

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鉄製の外壁材で国内シェアトップの建築資材メーカー「アイジー工業」は、鉄板の仕入れ価格が、この1年で3割ほど上昇したため、ことし8月から外壁材や屋根材を17%値上げしました。

また、東京に本社がある不動産会社「オープンハウス・アーキテクト」によりますと、マンションなどの建設に使う鋼材の1トン当たりの仕入れ価格もこの1年でおよそ2割、上昇したということです。

鋼材のほか、木材や銅などの資材も価格が上がっているため、このまま建設費の上昇が続けば、今後のマンションの販売価格に影響を及ぼす可能性があるとしています。

このほか、壁紙の卸売りで国内シェアトップのインテリア商社「サンゲツ」も先月、壁紙や床材、カーテン生地などを最大で18%値上げしました。

値上げの要因は共通していて、経済回復で先行したアメリカや中国で需要が急拡大し、原材料価格や輸送に必要なコンテナを確保するための費用が高騰しているためです。

専門家は「日本の景気が回復する前に、海外の要因で物価が上がり続けており、今後の消費回復に水を差しかねない状況になっている」と指摘しています。

~略~

世界銀行の調査によりますと、鋼材などの原料となる鉄鉱石の価格はことし7月に一時、去年の同じ時期の2倍に上昇しました。

また、銅の国際的な指標となる先物価格は、ことし5月に1トン当たり1万ドルを上回って過去最高値の水準となり、その後も高止まりが続いているほか、アルミニウムの先物価格も1トン当たり2800ドルを上回り、2008年以来、13年ぶりの高値水準になっています。

このほか、建築向けのガラス製品も原料の「けい砂」や製造設備の燃料となる重油の市場価格が高止まりしていることなどから値上げする動きが相次いでいて、
最大手のAGCは、今月1日の納品分から
▽一般的な板ガラスと鏡を15%から20%、
▽防火用の網入りの板ガラスなどを30%、
▽断熱性能の高い複層ガラスなどを10%から20%、
それぞれ値上げしています。

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NHK NEWS WEB

 住宅等の建築に関する需要が世界的に急増しています。新型コロナウイルス感染症の流行が終息に向かっているという判断をしている方が増えていることもあり、需要が急激に増えています。

 原油価格が高騰しています。このため、レギュラーガソリン1Lの価格が160円を超える店が現れ始めています。少し前迄は1Lあたり130~140円程度であったことを考えると、凄まじい高騰になっています。

 原油価格が凄まじく上昇していることから、建築に必要な部材の価格が急騰しています。アルミ、鉄、壁紙、ガラス、電線などは石油がなければ生産できないので、原油価格が高騰すれば価格が上昇します。

 さらに、輸送用コンテナの調達費用および輸送費も高騰しています。輸送費が高騰している理由ですが、ここでも原油価格の大幅な値上がりが影響しています。

 昨日投稿したとおり、木材については現地の生産価格が下がり始めています。年末または来年前半には価格が下がったことを実感できる可能性が高いです。しかし、材木以外の建築資材における価格は、しばらくの間は高騰したまま推移する可能性が高いです。

 今年の年末から来年初めにおいて建物を建築する場合、その建築費用はコロナ禍に陥る前における費用よりも1~2割程度高くなるのではないかと予想しています。

 今年の年末、または来年の初めに新築戸建住宅、新築マンションの購入を予定している方は予算をやや大きく見積もっておく必要があります。

 中古物件を購入される方におかれても、壁紙等が値上がりしているので、リフォームをする場合には費用を多めに見積もることをお勧めします。