マンション、アパートにおける犯罪の防止に役立つこと(その1)

 昨日の投稿では、ガス設備などの点検を装い電話をかけてアポイントを取り、強盗等の犯罪を行う「アポ電強盗」について書きました。

1.資産状況、家族構成、人数を尋ねられても答えない
 アポ電強盗は巧みな話術を用い、自宅にいくらのお金が置いてあるか、貯金がいくらあるか等を尋ねることがよくあります。ガス設備に異常が見つかった場合に修理費が必要だから等と様々な理由を付け、自宅に置いてあるお金の額を尋ねるようです。

 同居している家族が家にいるかについても尋ねられることがあります。強盗行為を行った際に抵抗される恐れがないかを事前に把握するためです。

 これらの内容を尋ねられたら、何も言わずに電話を切ることをお勧めします。この「何も言わずに電話を切る」という行為は、特に高齢者においては苦手なようです。相手に失礼ではないかと考えてしまうのでしょうが、強盗行為等を企てる輩に気を遣う必要はありません。この場合、電話を切った直後に再び電話がかかることがありますが、直ぐに切って構いません。

2.オートロックを過信しない
 不動産会社の社員がオートロック付きのマンションに立ち入り、施錠されていない玄関から侵入して強盗および強制性交致傷行為を行った事件の犯人に対する判決が下されたことを一昨日の投稿に書きました。

 管理している不動産会社の社員はオートロックの解錠方法を知っています。そして玄関を施錠していなかった入居者の部屋に侵入し、犯行を行ったわけです。

 オートロックを解錠し、共用部に立ち入るのは入居者、不動産会社・管理会社の従業員だけではありません。清掃業者、宅配業者、郵便局員、出前サービスの従業員、入居者の友人、入居者募集中の部屋への内見に訪れた方等、様々な方が出入りします。入居者にオートロックを解錠してもらい、入居者を訪問して用事を済ませた後に他室に立ち入り、犯罪行為を行う恐れがあります。

 管理している不動産会社または管理会社の社員が玄関の鍵を保管しているマンションはありません(コンシェルジェサービスを実施している、または管理人・警備員が常駐する一部のマンションを除きます)。このため、玄関の施錠をしっかり行っていれば、大半の犯行は防止できたのではないかと考えられます。

3.暗証番号でオートロックを解錠できるシステムは改修の余地あり
(管理組合、オーナー様向けの提案)
 オートロックの解錠を暗証番号で行うマンションがありますが、これは危険です。

 入居者が第三者(配送業者、入居者の友人)と一緒にオートロックを通過する際に、暗証番号式であると暗証番号を読み取られる恐れがあります。最悪の場合、SNS等の連絡手段を通じ、犯罪を行うための情報として売られる場合があります。

 暗証番号を定期的に変更しているマンションがありますが、情報伝達のスピードが高速化していることから変更を頻繁に行わないと防犯対策になりません。それに暗証番号を頻繁に変えると入居者が現在の暗証番号を思い出しにくくなり、クレームになる恐れがあります。

 可能であれば鍵、またはICカードで解錠できるオートロックシステムに改修することをお勧めします。

※明日の投稿に続きます。