不動産を購入する際に見落としがちな点(その3、中古戸建住宅)

昨日投稿した「不動産を購入する際に見落としがちな点(その2、土壌汚染・地盤他)」に記載した内容は、中古戸建住宅を購入する際にも全て該当します。

1.心理的瑕疵-人の死亡に関する瑕疵
建物において見落としがちな点は、いわゆる心理的瑕疵の有無、および心理的瑕疵がある場合はその内容です。仲介する不動産会社において売主から聴き取り調査を行いますが、虚偽の情報を伝える売主がたまにいます。

ネット空間の中には不動産における死亡事案をまとめたWEBサイトがあり、一般の方からの情報を収集しています。建物内で人が死亡し、「心理的瑕疵あり」と言える場合には、その事実を隠し通すことは極めて困難ですが、このようなWEBサイトに掲載されないことが稀にあります。

このような場合に、建物内で死亡事案がある場合でも、「申告しなければ高く売れる」と考え、心理的瑕疵があるにもかかわらず、それを意図的に申告しない売主がいます。

過去の新聞記事に対する検索、付近住民からの聴き取りなどを行い、可能な限り調査することをお勧めします。

2.再建築の際に工事が必要になる箇所の確認
建物が古く、あと数年~10年程度で建て替えが必要になりそうな建物を購入する際の注意点になります。

再建築の際に、前面道路のセットバックが必要な場合があります。また、角地である場合は隅切りを設置しなければならないことがあります。

また、盛り土の上に建物がある場合、または隣地との間に崖がある場合は、崖となる部分を新たに造り直し擁壁を設けなければならない場合があります。この場合、崖および擁壁に関する工事を開始する前に建築確認申請し、工事完了後に完成検査を受ける必要があります。建物に関する建築確認申請は、崖および擁壁における建築確認の完成検査後になります。

土地の形状および立地により、相応の費用が発生することがあります。再建築を行うのはかなり先であるとしても、その際に必要な費用の概算を調べておくことをお勧めします。

3.前面道路の拡幅工事に伴い、建物の収去等を求められることがないか
計画道路や再開発の予定、地区計画などについては重要事項説明の際に説明があります。しかし、「かなり先のことだと思うし工事の際には補償も得られるだろう」と安易に考えて購入し、後悔する方がいらっしゃいます。

建物の前面に駐車場を配置している場合、その駐車場部分のみが道路拡幅のために収用されることがあります。車が無ければ生活できない地域では、駐車場を強制的に収用されると生活がとても不便になります。この場合、駐車場部分については収用に伴う補償を受けられますが、建物および敷地については受け取れないことが大半です。

4.煤煙および臭気
大通りに面する谷底の物件では、無風の際に車の排気ガスが淀むことがあります。洗濯物を室外に干すと煤だらけになるので、洗濯物を室外に干せません。また、工場の煙突が近くにある場合、風向きにより付近が煤煙に包まれることから洗濯物を干せません。

その他に、飲食店が近くにある場合には風向きにより煙が漂う、臭いがする等があります。現地を最初に訪問した際には問題がなくても、改めて別の日に現地を訪問したら臭いがすることがあります。

現地確認は平日の日中にも行うことを強くお勧めします。

5.騒音
閑静な住宅街の中にある住宅であると思っていたのに、実際には騒音が酷い場所であったということがあります。土曜日および日曜日は静かなのに、平日の日中は工場および工場に出入りする大型車の騒音がうるさく聞こえる場所があります。

現地確認は、前項と同様に平日の日中にも行うことを強くお勧めします。

6.正月、およびお祭り期間中における交通規制
特に神社や仏閣が近い場所で起きる問題です。初詣や夏祭りの時期になると交通規制が行われ、前面道路への車両の乗り入れが禁止される場所があります。沿道の住民にも例外を一切認めず、車両の通行を厳しく禁止する地域があります。

しかも、規制期間がかなり長いことがあります。例えば「1月1日~7日は車両の通行を全面的に禁止」等のように、交通規制を週単位で行う場所があります。

神社や仏閣が近い場合、車両の通行規制内容について、付近の住民や役所、町会等に確認する必要があります。

7.通学路
通学路の場合、朝の一定の時間帯における車両の通行が禁止していることがあります。車通勤をしている方の出庫時間が交通規制を受ける時間帯であると、かなりの不便を強いられます。