不動産の内見には身分証明書が必要になりました(東京都内)

※昨日の続きは、明日の投稿とさせていただきます。

最近、不動産の内見を行っている際に内見の担当者が刃物等で脅され、金品を奪われる事件が二件発生しました。

犯人は男女の二人組で、賃貸物件の内見をしたい旨を申し出たことから女性従業員が担当し、物件を案内したとのことです。内見の際に刃物等で脅され、現金やカードを奪われました。各々の事件の概要は、本ブログにおける投稿(最初の事件二回目の事件)を参照願います。

密室内における犯行であり、しかも現場はお客様が所有する物件内です。反撃するとお客様の物件を傷つけることになりかねませんので、無意識に反撃の手を緩めてしまいます。

また、「内見の担当者が女性であれば、脅すことにより金品を簡単に奪える」と考え、不動産会社を安心させるために男女二名で不動産会社を訪問したものと思われます。計画的な犯行であり、卑劣です。

不動産会社の内見担当者が多額の金品を所持していることはあり得ず、多額の金品を奪える可能性はほとんどありません。かなりの確率でいずれは逮捕され、その後は強盗罪(5年以上の懲役)または強盗致傷罪(無期または6年以上の懲役)あるいは強盗致死罪(死刑または無期懲役)という重罪で処断されます。立件された場合、ほとんどは実刑になります。それにもかかわらず、何故このような割の合わない犯罪を実行するのか、全く理解できません。

これらの事件は、不動産の内見に重大な影響を与えた
このような事件が発生すると、不動産を気軽に内見することが出来なくなることが危惧される旨を先日の投稿に書きましたが、東京都ではその通りになりました。

先日、警視庁より不動産関係団体宛に、「不動産の内覧(内見)を実施する際には、お客様の身分証明書(運転免許証等)の提示を求めることによる身分の確認を徹底するように」との依頼がありました。

警視庁によるこの依頼は「事実上の通達」であると解されます。

従来から、来店されたお客様が不動産を内見する際には氏名と連絡先を申告していただいていましたが、今後は運転免許証等の身分証明書を提示していただき、内容を控えることが求められます。

賃貸、売買にかかわらず、内見の際に運転免許証等を確認させていただくことになりますが、拒否された方には内見をお断りするしかありません。「持ってくるのを忘れた」と言われる方も、その場では内見をお断りすることになります。

また、代理人による内見も身分証明書が必要になります。「本人は仕事でとても忙しい。代わりに自分が内見し、良いと思う物件があれば教えて欲しいと頼まれている。」と言われる方がいらっしゃいます。

このような方の中にはお客様カードに本人の氏名および本人の電話番号のみを記載し、代理人として来店された方の氏名や連絡先については記載を断る方が多いのですが、今回の警視庁からの事実上の通達により、代理人であればその代理人の氏名及び連絡先を申告していただき、身分証明書を提示していただくことが必要になります。提示していただけない場合は、内見をお断りすることになります。

しばらくは、「身分証明書の提示が必要なら他の店に行く。」と言ってお帰りになる方、および怒り出す方が増えると思われます。しかし、上述した警察による依頼は「事実上の通達」なので、これに従うしかありません。

また、内見のためにお客様と物件所在地(現地)で待ち合わせる際も、現地で身分証明書を提示していただき、写真を撮らせていただくことになります。提示を拒否される場合は、内見をお断りすることになります。

今回の強盗事案は、大半に不動産会社において行っている「少しでも期待できそうな物件があれば、お気軽に内見していだく」という営業スタイルを見事に破壊したと言えます。

悪い意味で、不動産業界における歴史的な出来事です。これは大袈裟ではありません。