設備を更新し続けないと入居者が決まらない(その2、キッチン)

一昨日の投稿の続きです。

賃貸アパートまたは賃貸マンションの内見において、内見しているお客様が必ず念入りに確認するのはキッチンユニットです。

1.コンロ
ハウスクリーニングを行うことから汚く見えることは少ないのですが、コンロの傷みがある程度進行していると、それだけで内見されている方が「入居不適」と判断することがあります。

東京の不動産会社における業界用語で「蚊取り線香」という言葉があります。電気コンロにおける発熱部分が蚊取り線香のように渦を巻いた形状になっている電熱器のことです。

この電熱器は、IH方式の電熱器に置き換えられており、「IH方式でないと入居しない」という方が増えています。従来型の電熱器では吹きこぼれ等が生じた際における掃除をしにくく、食材などが炭化したものがこびりつき、汚く見えるからです。

また、ガスコンロの場合はオーナーにおいて新品を用意し、退去したら新品に交換するのが有効です。ただし、システムキッチンの場合は、コンロの交換費用が高額なので、費用対効果の面でお勧めしにくいです。

しかし、賃貸住宅用のキッチンではテーブルコンロの利用を前提としています。2口のテーブルコンロの場合には規格品があり、価格は2~3万円なので、入居者が変わる毎に交換することをお勧めします。

「コンロは賃借人が購入して取り付けるもの」とお考えのオーナー様がいらっしゃいますが、賃貸住宅を探されている方の大半は、コンロ1台分の費用でも節約したいと考えています。オーナー様において新品に交換することは、入居者の早期決定に寄与します。

2.流し台
悪臭がする、水が流れにくい、等の場合は水道工事店などに点検を依頼し、早急に改善する必要があります。清潔感がないと、入居者がなかなか決まらない原因になります。

点検の結果、流し台を交換する以外の対処方法が無い場合があります。この場合、工事業者はシステムキッチン等への変更を提案することがありますが、システムキッチンにするとコンロの交換が容易ではなく、しかも交換費用は極めて高額です。テーブルコンロを置くことを前提とした、賃貸住宅用キッチンユニットの利用がお勧めです。

3.水道栓
ハンドル混合栓(水およびお湯の水道栓が別々にある混合栓)はかなり不人気であり、特に若い方は入居をためらう原因になります。水道工事店に交換を依頼する場合、大半は3万円程度で交換可能なので、シングルレバー混合栓への交換を強くお勧めします。