賃貸物件の入居審査は不動産会社訪問または内見の時点から始まる

本日は、賃貸アパートや賃貸マンション等の入居審査について説明します。実は、入居審査は不動産会社を訪問された時点、または物件を内見された時点から始まっています。

1.不動産会社訪問時における入居審査
不動産会社では御希望される部屋の内容、賃貸条件、希望家賃、年収、連絡先などについてお尋ねします。

通常は、ご希望の条件をお尋ねしてから物件を検索したり、予め用意されている物件一覧の中から探して紹介します。

細かい条件を指定された場合は、やや時間がかかることを説明してから探します。しかし、お客様の中には探し始めてから5分も経っていないのに「おいコラ。早くしろ!」とか「客に渡す紙ぐらい前もって用意しておけ、ボケ」等の暴言を吐く方がいます。

私の会社では、あまりにも酷い場合は即刻お帰りいただいています。横柄極まりない方に紹介できる物件はありません。

また、ご希望される設備に関する条件が厳しく、ご紹介できる物件が全く無い場合があります。この場合はその旨を丁寧に説明するのですが、説明を終えた際に机や椅子をガンガン叩く、大声でわめき立てる等を行う方がたまにいます。

このような方をオーナーに紹介できるはずがありません。入居先で他の居住者とトラブルを起こすことが確実です。当然ですが入居審査の結果は入居不可。即刻お帰りいただくことになります。

2.内見の際における入居審査
会社の事務所では大人しかったのに、内見の際に暴言を吐く方がいます。少人数の環境になると高圧的な態度に出る方なのでしょう。

また、内見の際に室内でタバコを吸おうとする方がいます。注意しても「俺は客だ。文句あるのか。」と言う方がいますが、リフォーム済の室内で喫煙されると、タバコの臭いがクロス等に残ります。後でタバコを吸わない方が内見した場合に入居を断る原因になるので、オーナーから損害賠償を請求されるなどの大問題になります。

いずれも内見を中止することになります。もちろん入居不可と判断します。

3.入居申込書の提出後における入居審査
通常、入居審査を行うのはオーナーです。ただし、サブリース物件の場合にはサブリース業者がオーナーの代わりに審査を行います。

また、管理を行う不動産会社が賃借人募集に関する事務の全てを任されている事があります。この場合は管理を行う不動産会社が行います。

なお、連帯保証人を立てる代わりに家賃保証会社による保証契約の締結を必須にしている物件では、家賃保証会社に保証契約引受の可否を判断してもらい、この結果をもってオーナー、サブリース業者、管理会社が入居の可否を判断することが大半です。

令和2年4月1日に施行された改正民法により、連帯保証人を立てる場合には、予め連帯保証の極度額を通知することが義務づけられました。実務では、その極度額は二年分の家賃相当額(共益費などがある場合は、その金額を含む)になります。

このため、連帯保証人を安易に引き受ける方が減り、家賃保証会社の利用を前提とする物件が大半になりつつあります。今後は家賃保証会社による審査が、入居申込書の提出後における事実上の入居審査になると思われます。

※明日は、家賃保証会社における入居審査について書きます。