物件購入の際に無茶振りをしても断わられるだけです

 筆者の会社が不動産を販売していたところ、買主様(いずれも不動産業に従事していない方)から以下の依頼を受けたことがあります。

買主様による無茶振りの例

●築7年のファミリー向け中古マンションにおいて「システムキッチンおよび浴槽を、売主負担で新品に交換して欲しい。購入するか否かは新品に交換した後にもう一度内見して決めたい。」と依頼された。理由を尋ねたら「破損や汚れがほとんどなくても他人が使用していたものは嫌だから。」というもの。

●郊外の中古戸建住宅(リフォーム済)を販売していたところ、「立地が良いのでこの場所に新築戸建住宅を建てたい。建物を解体して更地にして欲しい。解体費は売主負担とし、価格は現在の価格の2割引きでお願いしたい。」と言われた。

●古い擁壁の上にある戸建住宅(土地付き)の売却を依頼された。購入希望者から「価格は現在の売り出し価格で構わないが、建物および擁壁を解体し、擁壁を再構築して欲しい。工事費用は売主負担でお願いしたい。購入するかは工事が完了した後の状態を確認してから決めたい。」と言われた。

 売主様に対し売主負担の工事等を依頼し、「購入する否かは工事後に決める」と言われる買主様がいらっしゃいます。しかし、このような交渉スタンスは売主様を怒らせるだけです。

 上から2番目の事例では解体費用を売主負担にした上でさらに「価格の2割引き」を要求しています。あまりにも過大な要求であり、余程売り急いでいる等の事情がなければ売主様は承諾しません。

 3番目の例では建物および擁壁の解体と擁壁の再構築を要求しています。しかし、建物および擁壁の解体、および擁壁の再構築に要する費用は莫大であり、この事案では販売価格とほぼ同額でした。もちろん売主様による承諾は得られません。

 これらの依頼をされた場合、売主様はほぼ例外なく「無茶振り」であると捉えます。売買契約が成約することはありません。

 少し考えればわかると思いますが、これらの要望をされるのであれば最初から新築物件を探す方が良いと言えます。

 売主様に売主負担の工事等を依頼し、「購入するかは工事後に決める」という要望は売主様に嫌われます。売主様を怒らせるだけなのでやめた方が良いです。売買交渉のイロハです。