京都市が提案した「空き家税」、国が同意へ

2024年3月25日

 共同通信社のWEBサイトから引用します。

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※2024年3月25日追記:リンク先の元記事が削除されたのでリンクを外しました。

初の「空き家税」、国が同意へ 住宅供給狙い京都市提案
2023/03/22

 松本剛明総務相は、京都市が提案した「空き家税」創設に同意する方針を固めた。関係者が22日明らかにした。全国の自治体で初めて、空き家所有者に独自の税金を課す。市では住宅が不足しており、課税を避けるための売却・賃貸を促し、供給増につなげる狙いがある。導入は2026年以降。効果が出れば同様の問題を抱える他都市の参考になりそうだ。

 正式名称は非居住住宅利活用促進税で、自治体が独自に課す法定外税。空き家のほか、日常的な居住者がいない別荘、別宅も対象で、税額は家屋の価値や立地に応じて決まる。所有者は固定資産税に加えて空き家税を納める必要があり、税負担は1.5倍程度となる見込み。評価額が低い家屋や、保全が必要な京町家などは非課税とする。

 市が試算した空き家税の年額は、希望の値段で買い手がつかず、物置として利用している築40年のマンション(60平方メートル)で約2万4千円。中心部にある築5年の高層マンション最上階(100平方メートル)を別荘として年数回利用するケースで約93万9千円だった。

共同通信

 この新しい税金は地方自治体が独自に課す法定外税です。法定外税を新設する際には総務大臣の同意を得る必要がありますが、この共同通信社による記事は、京都市において法定外税を新設することについて総務大臣が同意した旨を報じています。

 京都市では住宅が不足しています。世界的に有名な観光地であることから別荘、またはリゾートとして住宅、マンションを購入する方が多くいらっしゃることが理由の一つです。

 その他にも転売目的で外国人が購入し、空き家のまま放置する事案があります。住宅が足りない京都市としては、別荘や転売目的の空き家を減らしたいと考えることについて正当性があります。

 しかし、「空き家税」を徴収することにより、狙い通りに売却や賃貸が促されるかはかなり疑問です。

 そもそも京都に別荘やリゾートマンションを購入し、空き家を所有する方はいわゆる富裕層です。このような方は京都市内に別荘や別宅、リゾートマンションを保有していることをシンボルステータスと考えています。新しい税金が課されても売却、または貸し出す方は増えないと考えます。

 問題は、このような新しい税金が全国に新設されることです。有名な観光地とは見做されていない田舎の別荘や、企業が所有する保養所や研修施設の取り扱いが問題になります。

 この税金が新たに課せられると別荘、リゾートマンションだけではなく保養所や研修施設が激減します。施設で雇用されている方は解雇されます。

 地方都市において再開発事業を行ないたいと考えても、企業による投資が大きく抑制されると思われます。新税を設けたことにより再開発を行えなくなり、財政も悪化する地方自治体が増えることが懸念されます。