最近の深刻な半導体不足が不動産取引を停滞させています

 各種報道によりご承知のことと思いますが、半導体不足が深刻になっています。新型コロナウイルス感染症が終息しないことから海外の工場が操業を停止し、サプライチェーンが混乱していることが原因です。

 最近はありとあらゆるものに半導体が使用されています。照明器具、洗濯機、掃除機、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、電気ポットなどの家電製品にもほぼ例外なく半導体チップが導入され、マイコンが制御しています。

 不動産で関係があるものはシステムキッチン、エアコン、湯沸かし器、温水暖房便座、照明器具、オートロック、エレベーター、太陽電池パネルの制御装置、その他です。これまでは主に水回りに関係する配管部材等の入手困難が問題になっていましたが、それに半導体不足が加わり、大変な状況に陥っています。

 住宅やマンションなどを新築しても家電製品の多くが入手困難で、さらにオートロックやエレベーターを稼働させることができないのでは建築確認申請における建物の完成検査を行えません。東京都区内の場合、建物が竣工したら直ちに収益することを考えていても、それがかなり困難な状況であると言えます。

 問題なのは、この半導体不足がいつまで続くかを全く予想できないことと、解決する目途がないことです。「1年後はもちろん、2年後の2024年も半導体不足が続くと思われる」という論調の報道が増えています。

 実需用、収益用を問わず、住宅の新築を検討されている方におかれては、これから着工しても部材の調達に悩まされる恐れが高いです。工期については十分な余裕を持たせ、竣工時期が多少遅れても資産に対する影響をなるべく少なく出来るように配慮することをお勧めします。