コロナ第5波の終息後における、中古戸建住宅の販売動向予想

※お断り
 本日掲載する記事は、他の有名ブロガーや雑誌編集者等が書いている内容と大きく異なる部分があるかもしれません。あくまでも筆者独自の想定になります。

 新型コロナウイルス感染症の第5波が終息しつつあることから全国に発出されていた緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置が解除されました、飲食店における営業規制も緩和され、客足が少しずつ元に戻り始めています。

 新型コロナウイルス感染症のため、企業にはリモートワークが推奨されたことから郊外の中古戸建住宅、都市部では部屋数が多い住宅に人気が集中しました。

 郊外の中古戸建住宅はそれなりの数がありますが、部屋数が多い戸建住宅は元々物件数が少ないことからお客様のご要望に応じ切れていないのが実情です。

中古戸建住宅動向の予想
1.郊外の中古戸建住宅
 リモートワークに対する需要が減ることから郊外の中古戸建住宅に対する需要は、内容により差別化するものと思われます。

 都心まで2時間以内で行ける場所にある物件、駅から徒歩圏内にある物件、主要国道または主要都道府県道沿いの物件、近くに大型ショッピングセンターがある物件等に対する需要は減少することなく、徐々に増加すると予想しています。価格はコロナ禍になる以前より高めに推移すると考えられます。

 これらの物件に対し、都心まで行く際に3時間以上を要する物件、最寄り駅から物件に行く際に車の利用が必須である物件、物件の前まで車を乗り入れられない物件、街に出るために急坂の上り下りが必要になる物件、崖の上または崖下にある物件に対する需要は少なくなると思われます。このため、価格は安目に推移すると思われます。

 コロナ禍が終息しても、全てのリモートワークを取りやめにする企業はほとんどないと考えられます。落ち着いた環境でリモートワークを行いたいという需要は根強いので、今後も一定の需要が見込まれます。

 ただし、「今すぐに慌てて購入する必要はない。もう少し利便性が良い物件が出るのを待とう。」とお考えになる方が増えています。上記のような、わかりやすい欠点を抱えている物件は、販売価格をかなり安くしてもなかなか売れない状況です。この状況は、当分の間続くものと予想されます。

 特に土砂災害警戒区域に指定されているエリア内の物件、およびハザードマップにおいて浸水発生の危険があるとされるエリア内の物件は、かなり安くしても買主が現れるまでには長期間を要します。

2.都心の部屋数が多い中古戸建住宅
 現在売り出し中の中古戸建住宅における間取りの多くは3LDKです。4LDK、5LDK等の物件は、都心では極めて少ないのが実情です。

 やや広めで部屋数が多い住宅が欲しいという御要望があちこちから寄せられていますが、元々絶対数がとても少ない状況です。それに需要が増えていることから売主が強気であり、価格が下がりません。この傾向はコロナ禍が終息してもしばらく続くものと思われます。

3.1・2以外の中古戸建住宅
 上述したリモートワーク目的で購入される郊外の物件、または都心にある部屋数が多い物件を除き、全般的に価格は安めに推移する可能性があります。

 その理由の一つは、コロナ禍に陥る前に中古戸建住宅の購入を検討していた方の多くが解雇や賃金カットを受けたことにより、購入希望者が減少しているからです。

 特に、賃金カットを受けたことにより住宅ローンが成立せず、物件を買えなかった方が増えています。買主減少の傾向は、当分の間続くと思われます。

 二つ目の理由は新型コロナウイルス感染症の流行により解雇または賃金カットを受けた方が住宅ローンを返済できず、これが原因で売り出される物件(いわゆる任意売却物件)が増えるからです。

 総じて物件の数が増えますので、価格を高く設定出来る何らかの要素がない物件は、価格を安くしないと売却出来ないことになります。