東京都区内では売物件の不足が深刻化

 東京都区内、特に城南、城西、城北の各エリアでは売買物件が不足しており、かなり深刻な状況です。

 特に売地、売中古戸建住宅、新耐震である売中古区分マンションの数が激減しており、私の会社に物件の探索を依頼されている多くのお客様に御迷惑をおかけしています。数が多いのは旧耐震の売中古区分マンションのみという状況です。

 旧耐震の中古区分マンションは、建築後40年以上を経過していることから建物の老朽化が目立ちますし、間取りが現在のニーズに合わない(キッチンが狭い等)等の理由から積極的に売られています。 

 私の会社にはほぼ毎日のように、不動産会社買い取り業者の営業担当者が来訪します。異口同音に「売物件、特に土地の数が非常に少ないので、助けてください。土地または中古戸建住宅の売り物を紹介してください。今月のノルマが厳しくて...」と言われます。しかし、売物件の数は激減しており、さらに買い取り業者が示す買い取り価格の目線は市場流通価格(いわゆるエンド価格)の7~8.5割であることから紹介は極めて困難です。    

 売物件の数が激減している原因は、新型コロナウイルス感染症です。不動産の売買物件、特に中古戸建住宅および土地は買い替えの際に多く出ます。自宅の買い替えを検討される方は、物件の売却価格に自己資金を追加し、より条件が良い物件を購入されます。

 ところが、新型コロナウイルス感染症がなかなか終息しないことから貯蓄を取り崩し、生活費や経営している会社を存続させるための費用として費消する方が急増しました。このために不動産の買い替えを断念された方が多くいらっしゃいます。

 その他にも、感染を恐れることから新たな物件を探索するための内見を希望されない方が増えており、このことも買い替え需要を抑制する原因になっています。

 オンライン内見を行っている物件がありますが、オンラインによる情報だけでは購入を決定できないと考える方が大半です。「内見は、新型コロナが終息してからにしたい。オンラインの情報だけでは不安なので買わない。」と言われるお客様が多いです。

 新型コロナウイルス感染症の流行が終息しないと、不動産の売買物件数は増えてこないと思われます。第6波の到来が懸念されており、さらに新型変異株であるオミクロンの感染者が国内で発見されています。

 新型コロナウイルス感染症が終息し、不動産を買い替える機運が盛り上がる迄、売物件が増えることは望み薄です。新型コロナウイルス感染症の一日も早い終息を望みます。