住宅用部材の供給が大幅に遅延しています

毎日新聞のWEBサイトにおける掲載記事から引用します。

※掲載社の都合により元記事が削除され、リンクが切れることがあります。あらかじめ御了承願います。

コロナ禍で住宅工事遅れ「トイレや給湯器」の欠品深刻
さくら事務所・個人向け不動産コンサルティング
2021年10月13日

 住宅業界で、トイレやガス給湯器など住宅設備機器の欠品や納品の遅れが相次いでいる。住設機器部品の主要生産拠点であるベトナムで新型コロナウイルスの感染が拡大し、工場の操業が停止したことが原因だ。この影響で、住宅工事が遅れ、引き渡しの時期がずれ込むことが懸念されている。

ベトナムの感染拡大で供給遅れ
 住設機器大手のTOTO、LIXIL、給湯器大手のリンナイ、ノーリツなどは9月以降、相次いで、商品の納期遅延に関するお知らせを自社サイトに掲載した。

 各社では、ベトナムの感染拡大で現地の協力会社などからの部品供給に遅れが生じているという。このあおりを受け、ベトナムに協力工場を持たないメーカーにも注文が急増して生産体制が逼迫(ひっぱく)しており、影響は業界全体に波及している。新築やリフォームの工事を手掛ける施工業者は、国内在庫を取り合っている状態だ。

 新築工事を行う建物は、自治体や検査機関の行う完了検査に合格しなければ、物件の引き渡しができない。トイレやガス給湯器などが設置できず、完了検査が受けられないため、引き渡しが大幅に遅れる懸念が出ている。

~以下、略~

毎日新聞

 コロナ禍に一区切りがついたと判断した国では経済活動が活発になり、原油価格の高騰が起きました。材木価格は値下がりし始めています。しかし、その他の資材における価格は急激に上昇しています。

 日本で使用する住宅用部材の大半は東南アジアで生産されています。ところが東南アジアでは新型コロナウイルス感染症の流行が止まらず、工場が操業停止に追い込まれていることから住宅用部材の生産が停止し、住宅工事の現場に対する納品が大きく遅延する状況に陥っています。主に水洗トイレの機械部品、配管部材、水道蛇口、給湯器用部品の生産に大きな影響が生じているようです。

 住宅工事の遅延は、不動産業界および建築業界に対する大きな打撃です。工事を請け負った業者は工事が完了しないと物件の引渡しが出来ず、代金の支払いをしてもらえないことになります。

 工事が遅延している間、建築業者は工事費用を立て替えています。資金を銀行から借りて立て替えているところが多くあり、このような業者では利息の追加支払が必要になります。

 この状況が長引くと、建築業者および新築物件の建築を行っている不動産会社の経営状態が悪化することが懸念されます。マスコミは「新型コロナウイルス感染症の第6波が来る」と報道していますが、そのようなことになれば、今度は多くの不動産業者および建築業者、建設業者が廃業・倒産することになる恐れがあります。

 政府には、経済のてこ入れを早急に考えてもらわないといけない状況であるといえます。