賃貸物件の入居審査を賃貸保証会社のみに任せてはいけません(オーナー様向け)

 賃貸保証会社(家賃保証会社)による家賃保証契約が必須とされている賃貸物件に対し、入居希望者から入居申込書が提出されたとします。

 入居申込書が提出された旨をオーナー様にお知らせすると、「賃貸保証会社(家賃保証会社)に審査をしてもらい、家賃保証契約を引き受けてくれるのであれば直ちに入居させてください。そちら(不動産仲介会社)の判断は不要です。」と言われるオーナー様がいらっしゃいます。

 入居の可否を判断する主体は賃貸保証会社(家賃保証会社)であり、不動産会社は関わるなというのです。賃貸保証会社(家賃保証会社)の審査は完璧であり、不動産会社の審査は不要であると信じ切っているのです。

 賃貸保証会社(家賃保証会社)が審査するのは、主に現在または以前に居住していた賃貸物件における家賃滞納歴が代位弁済情報データベースに記載されていないか、クレジットカードの決済および各種ローンーの返済が滞りなく行えているか、定職に就いているか、収入と家賃とのバランスが取れているかという点です。それ以外の点についてはあまり考慮しないのが通常です。

 賃貸保証会社(家賃保証会社)による入居審査は、完璧ではありません。

 不動産会社では、入居希望者が転居を希望している理由に注目します。リモートワークを行うために部屋数が多い物件に転居したい、現在の住まいが朽廃しかかっているので住み替えたい、駅近の物件にしたい等の前向きな理由であれば、問題はないと考えます。

 しかし、他の居住者等とトラブルを起こしたために退去を迫られていることがあります。また、家賃の滞納が続いたために退去を求められたものの、賃貸保証会社(家賃保証会社)との保証契約が締結されておらず、連帯保証人が代位弁済に応じたことから滞納の事実が表面化せず、代位弁済情報データベースに反映されていない場合があります。これらは口調や態度などから察することができる場合が多いです。

 定職に就いていたとしても複数の企業に対するパートタイマーの掛け持ちである、収入の多くは歩合給である、転職を短期間に繰り返しており現在の勤め先における勤務期間が3ヶ月に満たない等があります。このような場合は、事情を詳しくお尋ねすることになります。

入居を認めるかを判断するに際しては賃貸保証会社(家賃保証会社)の審査結果のみに依存するのではなく、仲介を行った不動産会社の意見を参考にすることをお勧めします。

 どのような印象の方であるか不動産会社に尋ね、わからないことがあれば不動産会社と相談しながら入居の可否を決定することをお勧めします。