コロナ禍の中で、収益用不動産の購入を検討されている方へ(その4)

※昨日投稿した内容の続きです。

物件の内見は必須
 コロナ禍であることから、不動産を内見する際にオンライン内見を希望される方が増えています。収益用不動産の場合も同じ要望があります。特に初めて収益用不動産を購入される方の中には不動産会社の勧めと利回り、駅からの距離だけで物件を購入するか否かを決められる方がいらっしゃいます。

 確かに賃貸中の部屋を内見することは出来ません。しかし、建物の外壁および建物の状態、共有部の状態を把握する必要があるので、現地に赴いて確認することは必須です。

 外壁の傷みが酷く、コンクリートやタイルが剥がれている物件があります。また、外部から見た場合の汚れが目立つ物件があります。利回りが良好な物件でも、維持や修繕がキチンと行われていない物件がありますので要注意です。

 共有部の階段や廊下の床板に傷みがないを確認します。崩落事故がたまに発生しています。万が一、入居者が死傷するとオーナーの管理責任が問われ、多額の損害賠償をしなければならなくなります。

 エレベーターがある物件の場合には実際にエレベーターに乗り、異音や異様な揺れ方をしないかを確認する必要があります。廊下や階段の汚れ、オートロックの作動状況を確認しておく必要があります。特にエレベーターに何らかの問題がある場合、修理費が高額になることが多いので念入りに確認しておく必要があります。

 機械式駐車場付きの物件も、注意が必要です。故障のために動作しない区画がある物件が散見されます。屋外の場合、錆が多く発生していることがあります。万が一、機械式駐車場の修理が必要な場合には数千万円以上の費用を要することがあります。現状有姿の引渡であり、修理は買主において実施して欲しいと言われた場合は、その物件の購入を見送ることが賢明です。

入居者に関する情報を把握する
 病気がちの方、高齢者、身体障碍者に該当する入居者がいる場合は、個別にチェックします。

 物件を購入したら、病気がちの方、高齢者、身体障碍者等、特別なケアが必要になることが想定される入居者については賃貸借契約変更の連絡をする際に個別に面談し、体調などに異常が生じた際はオーナーまたは管理会社に直ちに連絡するようにお願いしておきます。さらに必要に応じ、見守りサービスなどの提案をします。

 現在はコロナ禍です。入居者の中には新型コロナウイルス感染症に感染し、自宅療養をお願いされている方がいらっしゃることがあります。

 管理会社の中には、新型コロナウイルス感染症に感染している方が自宅療養のために室内に留まっている賃貸アパート・マンションの管理を引き受けないところがあります。このため、収益用不動産を購入された方が管理会社に管理を委託する際には、新型コロナウイルス感染症に感染していて自宅療養中である方がいらっしゃるかについての情報を求められることがありますので、売主に確認することが必要です。

 新型コロナウイルス感染症を罹患されている方に自宅療養をお願いするという明らかに異常な施策がなければ、管理会社の選定に苦労することはありません。困ったものです。