収益用不動産の管理を外部に委託する場合は慎重に

 一昨日は、収益用不動産をサブリース方式で運用している場合、入居者を意図的に追い出し、多額のリフォーム代金を請求する悪徳管理会社が一部に存在する旨を投稿しました。

 サブリース方式ではなく、「家賃の出納のみを外部に委託する」、「入居者からのクレームについては一次対応のみを管理会社に行ってもらい、設備の修繕が必要な場合はオーナー様が自ら対応する」といった場合も、管理会社の担当者が質の良くない者であると大変です。

「管理委託費が安い」という理由だけで安易に委託してはいけない

 管理会社の選択を誤ると後が大変です。「管理費が安い」というだけで管理業者を選択するオーナー様がいらっしゃいますが、「安かろう。悪かろう。」の言葉の通り、杜撰な管理をされることがあります。

 『「毎週1回以上、必ず巡回します」と言われたので管理契約を締結して管理を委託したところ、訪問頻度は2か月に1回以下という有様で、ゴミ置き場には分別されていないことを理由に回収されなかったゴミ袋が山積みされ、建物の裏側にある隣地との境界部分は草が伸び放題という状況に陥っている。どうしたら良いか。』という相談を受けたことがあります。管理委託費がとびきり安いのでこの管理会社に委託したとのことでしたが、注意しても是正はほとんど期待できません、最終的には管理会社を変えるしかありません。

 家賃の集金も注意が必要です。入居者の家賃を家賃保証会社の賃料振込口座に振り込んでもらう方法で集金しているのであれば問題は生じにくいですが、令和2年3月以前に賃貸借契約が締結された物件ではオーナー様または管理会社の預金口座に振り込んでもらうことによる集金方法を採用していることがあります。

 管理会社の預金口座に振り込んでもらう集金方法を採用している場合、管理会社が預金通帳の記帳を怠った、または滞納の事実を見過ごす事案がしばしば発生しています。家賃保証会社に家賃保証を委託している場合でも、代位弁済期限を経過すると滞納家賃を請求できないので大事になることがあります。

管理会社の評判は、口コミ情報に頼るしかない

 「大手だから」という理由で選択する方がいらっしゃいますが、これも問題です。大手でも怠惰な者が担当者になることがあり、このようなことになると悲劇です。

 近隣の収益用不動産オーナーかに訊いてみる、近隣のオーナー様同士で情報交換を行うグループ(メーリングリストなど)があれば、これを頼りにする方法もあります。

 ちなみに、ネット掲示板の情報は、同業他社による誹謗中傷や架空の出来事で満ちあふれていますので、話半分くらいに捉えることをお勧めします。