ハザードマップの活用について

 報道によりご承知の方が多いと思いますが、大雨が続いており、西日本および九州では河川の氾濫、住宅の浸水等が多く発生しています。線状降水帯が長期間停滞していることによる大雨とのことです。

 水害が発生した際に浸水が発生しやすい、崖崩れが起きやすい等の危険がある場所がありますが、様々な事情により、水害等が発生した際には被害を受ける危険があることを承知した上で、そのようなエリアに居住しなければならない方がいらっしゃいます。

 しかし、そのようなエリアにお住まいの方が将来において住宅を住み替える際には、水害などの災害が発生しやすいところを避け、災害に遭遇しない物件を選ぶべきであることは言うまでもありません。

 2020年8月より、新たに住宅を借りたい方、および購入したい方に対し、不動産会社が重要事項説明を行うの際には契約の対象となる物件の所在地が属するエリアの水害ハザードマップを提示し、物件の所在地がハザードマップのどの位置にあたるかを説明しなければならなくなりました。

 物件の所在地が水害に遭遇する危険がない場合でも、近隣のハザードマップを提示した上で、水害ハザードマップにおける危険エリアには属さないことを示す必要があり、不動産会社において義務化されました。

 これは宅地建物取引業法施行規則の改正によるものです。新たに住宅を借りる、または購入する方に対し、不動産会社による説明が義務化された内容は、以下の通りです。

不動産会社における説明が義務化された内容

・水防法に基づき作成された水害(洪水・雨水出水・高潮)ハザードマップを提示し、対象物件の概ねの位置を示すこと
・市町村が配布する印刷物又は市町村のホームページに掲載されているものを印刷したものであって、入手可能な最新のものを使うこと
・ハザードマップ上に記載された避難所について、併せてその位置を示すことが望ましいこと
・対象物件が浸水想定区域に該当しないことをもって、水害リスクがないと相手方が誤認することのないよう配慮すること

 現在居住している住宅の所在地が水害ハザードマップの浸水想定区域として記載されているか否かを確認し、記載されている場合には転居を検討したいとお考えになる方がいらっしゃると思います。

 この場合は、ハザードマップポータルサイトを参照して調べることができます。洪水だけではなく、高潮および土砂災害、津波災害を受ける危険があるエリアであるかについても検索が可能です。

 または、市区町村役場では最新のハザードマップを作成し、運用しています。上述したハザードマップポータルサイトにある「わがまちハザードマップ」から市区町村役場におけるWEBサイトにつながりますので検索が可能です。

 更に最新のデータが必要な場合、または検索してもデータが存在しない(ハザードマップ自体が掲載されていない)場合は、物件所在地の市区町村役場にお尋ねいただいて構わないと思います。

 また、ハザードマップにおける浸水想定区域内に居住している方におかれては、万が一の水害発生時に備え、あらかじめ避難先および避難ルートを決める際に、水害ハザードマップが役立ちます。