中古戸建住宅を購入する際の重要事項説明における注意点(その2)

※昨日投稿した内容の続きです。

4.固定資産税、都市計画税などの税額
 税金の内容および金額は重要事項説明を受ける以前、それも物件を購入するために買付証明を提出する以前に確認するべき内容だと思うのですが、どういうわけか重要事項説明の際に年税額を聞き、慌てふためく方がいらっしゃいます。

 購入の可否を決断する前提の一つであると言える項目です。当然ですが、不動産会社は年税額を知っています。買主または買主側の不動産会社がが売主または売主側の不動産会社に買付証明を提出する前の時点で、買主側の不動産仲介会社は年税額を確認しています。

 買主が不動産会社より年税額を知らされていない場合、その理由のほとんどは単なる「失念」であると思いますので、不動産会社に確認することを強くお勧めします。

 ちなみに都市計画税は都市計画区域内にある物件に対して課せられます。都市計画区域外(非線引き区域)の物件、市街化調整区域内の物件には課せられません。

5.管理費、湯口権、簡易水道等の費用
 郊外の大規模に開発されたニュータウン、別荘地等の中には開発会社が上下水道、道路等の管理を行い、土地の所有者から管理費を徴収するところがあります。

 温泉地では、前面道路に温泉の配水管が敷設されているところがあります。温泉の利用を希望する際は、温泉の権利者から湯口権を購入することを求められることがあります。この場合、湯口権を設定する初期費用、毎月の利用料、従量制の場合は使用量に応じた料金の合計を徴収されます。

 地方では簡易水道が敷設されているところがあります。水道の供給組合等の組織が結成され、水を供給しています。しかし、保健所の検査により飲用不適とされるところが増えており、農業用水、農林水産業に利用する用具の洗浄、洗濯等に限定して利用するところが多いです。飲み水は水道水を利用しますので、二種類の水道を利用することになります。

 地域により、通常の水道の他に簡易水道の利用を求められる地域があり、その費用が発生します。

6.前項における管理費等の滞納額 
 売主が前項に記載した内容の費用を滞納している場合、物件を購入した買主が滞納額を負担しなければならないことがあります。管理組合などは、費用を滞納した売主の特定承継人である買主に対し、滞納額を請求します。

 このようなことがあるので、滞納額がある場合は金額を確認し、売買代金から差し引くか、売主から買主に対する清算金として渡してもらうかのいずれかを行う必要があります。滞納額および清算の方法等は重要事項説明書に記載する必要があります。

7.引渡し時期
 現況が居住中の物件である場合は、引渡し時期を明示する必要があります。東京都区内の物件では「契約後3か月以内に売主が退去し、その後に決済を行い、買主に引き渡す」という内容にすることが多いです。

 重要事項説明書に引渡し時期が明記されていないと、買主が長期間にわたり物件の引渡しを受けられない等の事態を招くことがありますので、明記されていることを必ず確認するべきです。