賃貸物件の入居者を募集する際に注意するべき事項(その3)

※昨日投稿した内容の続きです。

9.インターネットを利用できない
 東京都内ではほとんどの物件でインターネットを利用できるようになっています。そればかりか、インターネットを利用できる物件でも光回線ではない物件は、入居先の候補から確実に外れます。

 インターネット回線の費用を共益費として賃借人から徴収するべきか、オーナー負担にするべきかは、ネット回線の品質(接続可能台数、速度など)により異なります。高額でなければオーナー負担にすることにより、入居希望者に好印象を与えます。

10.外壁が汚ない、または一部が剥がれている
 外壁の維持管理、および修繕は定期的に行う必要があります。過去には外壁の一部が剥がれているのを見ただけで内見を中止したお客様がいらっしゃいます。外壁が汚れている、または破損している物件に対するお客様の印象は良くありません。

 このお客様は「外壁をメンテナンスしていない物件は、室内も十分なリフォームをしていないだろうし、設備が故障した際にオーナーに修理を依頼しても断られることが多いので、この物件には入居しません。」と言われました。

11.エレベーター、オートロックの故障や外階段の異常をを放置している
 エレベーターに乗ると大きな異音を感じ、急に大きく横揺れする物件がたまにあります。また、人がいないのにオートロックが自然に開き、人が通過しているにもかかわらずオートロックが閉まる物件に遭遇したことがあります。

 さらに、鉄製の外階段における塗装が適切に行われていないことから錆が生じ、いつ崩落してもおかしくないと思える物件がたまにあります。これらの物件では保守点検が適切に行われていません。入居者の安全に配慮しない物件に入居する方は誰もいません。

 オートロックの故障を修理しないオーナーに対し、修理しない理由を尋ねたら「お金がないから」と言われました。

 賃貸物件の異常を知りながら修繕せずに放置したことから事故が発生して入居者が死傷した場合、オーナーは多額の損害賠償を請求され、場合により全財産を失うことがあります。厳しい言い方になりますが、「お金がないから修理できない」というのが事実であれば、この収益物件を直ちに売却するべきです。 

12.ネット上における入居者募集の広告(露出)が多すぎる
 入居者を早く決めたいとお考えになり、数多くの不動産会社を訪問し、一般媒介による入居者募集を依頼するオーナー様がいらっしゃいます。

 現在、入居者の募集手段はインターネットが主流です。芸能人が利用していた邸宅、月家賃100万円を超える物件等でなければレインズに掲載し、さらにアットホーム、SUUMO、ホームズなどのポータルサイトに掲載することになります。

 少し前迄は紙媒体(チラシ)がよく利用されていましたが、紙媒体の作成には多額の費用が発生します。それに、紙媒体は広告の反響があまり良くありません。このため、賃貸物件の入居者募集に際し、紙媒体を利用することはほとんどなくなりました。

 東京都区内において入居者募集の依頼を受けた不動産会社は、物件情報をレインズおよびポータルサイトに掲載します。ちなみに、その他の地域では、物件情報を近隣の不動産会社に個別にメール送信しているところがあります。

 ポータルサイトに数多く掲載すれば入居者が早く決まると錯覚しているオーナー様が多くいらっしゃいます。しかし、多くのポータルサイトに掲載することは逆効果です。

 例えば10軒の不動産会社に入居者募集を依頼した場合、アットホームやSUUMO等に同じ物件が10箇所も掲載されることになります。

 ポータルサイトに1つの物件が数多く掲載されていると「何らかの問題があるために入居者が決まらない物件である」という印象を与えます。このため、入居先の候補から外れます。

 複数の不動産会社に依頼する場合でも、2~3社にとどめるべきです。それ以上の多くの会社に依頼することは逆効果です。