マンションのオートロックを過信してはいけない
区分マンションを購入したい方、借りたいお客様から「オートロックが付いているマンションに限定して探して欲しい。」と言われることが増えています。
最近建設されたマンションの大半にはオートロックが備えられています。オートロック付きマンションは防犯上安全であると思われている方が多いです。確かにオートロック付きマンションは防犯対策をしっかり行っていることを印象づける効果があります。
マンションにオートロックが備えられていることで安心してしまい、玄関を施錠しない方がたまにいらっしゃいますが、とても危険です。常習窃盗犯は、オートロックがあっても建物内に容易に侵入し、カギがかかっていない玄関から侵入します。室内に住人がいれば、強盗に早変わりすることがあります。
オートロックは気安めであり、全面的な信用は禁物です
オートロックが備えられた建物でも、直前に建物内に立ち入った人の後をつければ簡単に入ることが出来ます。宅配便配達員の服装をしていれば、怪しまれることがありません。
引越の際にオートロックが解除されていると、賊が侵入します。多くの荷物を運ぶためにオートロックのスイッチを切り、やむを得ずオートロックのドアを長時間開けていることがあります。特に引越シーズンにオートロックのスイッチが長時間切られます。誰も見ていないことを見計らった上で賊が建物内に入ります。
また、非常時のために裏玄関を設けているマンションがあります。通常は、目立たないところに設けるのですが、常習窃盗犯はその場所を簡単に見抜きます。
オートロックを備えたマンションでも、賊は裏口や通用口等から建物内に侵入します
古いマンションの場合、通用口を設けています。管理人が玄関や共有部の清掃を行う際には、この通用口から清掃用具を建物外に運び出す、または運び入れる場合があります。清掃中は、通用口の施錠を開錠したままにしていることがよくあります。賊は、通用口が開いている際に、管理人が通用口付近にいないことを見計らった上で侵入します。
どのマンションにも非常階段があります。非常階段の１階出口は外側から入れないように施錠していることが多いのですが、火災などの場合に外側から開けやすくするため、堅牢な侵入防止措置をしていることは少ないです。解錠技術がある者であれば容易に開錠でき、建物内に侵入できることがが多いです。
また、やや古いマンションでは非常階段や玄関の踊り場における天井近くに隙間が設けられていることがあります。このようなマンションでは賊は脚立を利用し、隙間から侵入します。
現在はコロナ禍であり、窃盗や強盗による被害が増えることが懸念されます。オートロック付きマンションであっても過信は禁物です。在宅中、不在のいずれであるかを問わず、玄関は常時施錠することを強くお勧めします。