賃借人の保証主体は連帯保証人から家賃保証会社に変わる(その3)

2020年11月26日

昨日および一昨日の投稿に記載したとおり、令和2年4月から施行された改正民法および関連法では、賃貸物件において連帯保証人を指定する際の要件がとても厳しくなりました。

連帯保証の極度額を設定して契約書に記載する必要があり、第三者が連帯保証人になる際には公正証書を作成することが義務づけられました。これらの要件を満たさない連帯保証契約は無効になることも定められています。

このため、今後は賃貸物件を借りる際には連帯保証人を立てるのではなく、家賃保証会社に保証債務を引き受けてもらうことが主流になるのは間違いありません。

改正民法の規定は、新たに賃貸借契約を締結する際だけではなく、既に賃貸物件を借りている方が契約更新をする際にも適用されます。従って、契約更新以降も連帯保証人による保証債務を継続してもらう場合には連帯保証の極度額を定め、第三者が連帯保証人になる際には公正証書を作成しなければなりません。

今日の投稿では、賃貸物件を借りる際に変わった点について、物件を借りられる方の目線に立った上で説明します。

1.原則として家賃保証会社の利用が必須である旨を告げられる
第三者に連帯保証人を引き受けてもらうためのハードルはとても高くなりました。このため、家賃保証会社に保証料を支払いたくないことから「連帯保証人を立てたい」と告げても、これを受けない不動産会社が大半になると思われます。

2.家賃保証会社から保証料を請求される
契約締結の際に0.3~2か月分の賃料相当額を、保証料として家賃保証会社から請求されます。さらに契約更新時または1年毎に1~2万円程度の保証料が必要になります。一定額を毎月徴収する会社もあります。
現時点では保証料の金額に関するガイドラインがありませんので、請求のタイミングおよび金額は家賃保証会社によってまちまちです。

3.入居審査は、主に家賃保証会社が実施
オーナー及び不動産会社も審査しますが、家賃保証会社による審査結果を最も重視します。オーナー及び不動産会社は、家賃保証会社による保証引き受けの可否に関する判断を尊重し、追随すると思われます。

家賃保証会社による入居審査は継続した収入の有無と金額、賃料が収入に見合っているか、滞納歴(家賃だけではなくクレジットカード返済などを含む)の有無を確認することにより行います。

水商売やアルバイトの方の場合、オーナー及び不動産会社による入居不可と判断されることが多かったのですが、多くの家賃保証会社では収入が多くかつ滞納歴がなければ保証を引き受けます。今後は、賃貸物件への入居が出来なかった方でも入居しやすくなると思われます。

4.不動産の紹介を受けて内見し、入居申し込みをしても入居審査に2~3日程度を要する
家賃保証会社によおる入居審査の際には書類をチェックするだけではなく、賃料と収入とのバランス、滞納歴(家賃だけではなくクレジットカード返済などを含む)についても調査します。このため、入居審査の結果が判明するのには通常2~4日を要します。

家賃保証会社に提出する書類は入居希望者の収入証明(源泉徴収票など)、勤務先を証明する書類(従業員証などのコピー)、運転免許証のコピー、その他です。

5.入居審査を通過した場合、初回保証料の徴収
通常は、重要事項説明の際に敷金、礼金および前家賃と一緒に請求されます。

6.家賃の支払方法に関する説明と手続き
家賃保証契約の内容により、家賃の支払方法は家賃保証会社、オーナー、管理会社のいずれかの預金口座への振り込み、または口座振替による支払になります。口座振替の場合は、必要書類を提出します。

7.次回以降の保証料の金額、支払時期、支払方法に関する説明と手続き
不動産会社の担当者より説明があります。

明日の投稿では、保証債務を家賃保証会社が引き受ける賃貸物件で、賃借人が家賃を滞納したらどうなるかについて書きます。