中国で不動産バブルが崩壊?日本への影響は?

 最近、不動産に関するニュースが減っています。お盆明けということもありますが、話題がほとんどありません。不動産をGoogle検索するとスポンサー企業として不動産会社の名称が羅列されます。ニュースのタブを開くと、アメリカで破産の申請をした中国の恒大集団に関するニュースが大きく表示されます。

 中国には恒大集団よりも大きな不動産会社があります。碧桂園(カントリー・ガーデン・ホールディングス)というディベロッパーであり、規模は恒大集団の4倍とのことです。こちらも経営危機がささやかれており、ここがデフォルトに陥ると世界経済が深刻な打撃を受けるおそれがあると言われています。

 世界的な低金利が続いたことから、中国では主に大都市でタワーマンションが数多く建設されました。このため不動産価格が急上昇し、上昇する一方になりました。これは好ましくないとして中国政府は2020年8月に不動産融資を大きく抑制しました。このため、不動産ディベロッパーの資金繰りが悪化し、経営危機が表面化しました。

 日本では土地価格が異様に高騰し、政府が融資の総量規制を行ったことから1991年頃にバブルが崩壊しました。バブル崩壊後は不動産以外の業種にも悪影響が生じ、失われた30年と言われる長期不況が始まりました。

中国で不動産バブルが崩壊したら

 中国国内の不動産を投資目的で購入している日本人または日本企業は、それ程多くないと思われます。このため、中国で不動産バブルが崩壊しても日本への影響は軽微であるように思えます。

 しかし、中国人全体の懐事情が悪化すれば中国人富裕層による日本の不動産購入が大きく抑制される可能性があります。日本国内の不動産を投資目的で購入する中国人富裕層が激減し、売却案件が増えるかもしれません。

 売却案件が増えると日本国内の不動産、特にタワーマンションや1棟ものの賃貸マンション・アパートは値下がりする可能性があります。

 値下がりすれば利回りが上昇する物件が増えます。最近、利回りが低いにもかかわらず都心の賃貸物件を購入した場合、売却の際に損切りを迫られる恐れがあります。

 日本ではタワーマンション、無人島、水源地、観光地の土地や施設等が外国人に買われています。中国で不動産バブルが崩壊した場合、これらの動きが抑制されると思われます。