コロナ禍のために家賃を払えなくなった場合について(住宅の場合)

2021年5月3日

新型コロナウイルスのために勤め先からの給与が支払われなくなった、解雇された等の理由により収入が激減した場合にどうするべきかについて書きます。

ここで取り上げるのは、一般の賃貸住宅(賃貸戸建、賃貸アパート、賃貸マンション)についてです。

1.オーナーに家賃の減額をお願いする
家賃の滞納が避けられなくなる前に対応することを強くお勧めします。滞納前に相談するのと、滞納後に相談するのではオーナーの心証が大きく異なります。滞納になりそうになった時点で、心証を害さないように事情を丁寧に説明し、理解を得るように努力してください。

賃貸住宅のオーナーは、所有する住宅(戸建、マンション、アパート)および住宅が立地している土地に関する固定資産税および都市計画税(都市計画区域外では不要)を支払っています。また、建物の維持管理にも費用が発生しています。築浅のマンションやアパートの場合、金融機関から土地購入費用および建物建設費を借りていることが多く、借りている費用を賃借人が毎月支払う家賃の中から返済しています。

このため、大半の場合において、家賃全額の免除に応じてくれることはないと思います。私が懇意にしている不動産会社の多くは、期間を定めて10~20%の減額に応じているようです。減額する場合、その期間は年内一杯、または来年春までとしているところが多いようです。
なお、値引きした差額は、コロナ禍が収束した後に徴収するとしているオーナーもいます。あくまでも暫定的な値引きに応じているのであり、恒久的な値引きに応じるオーナーは少ないようです。

相談先はオーナーまたはオーナーから管理を委託されている不動産会社です。この場合の連絡先は、賃貸借契約書に記載されています。

2.国や都道府県による各種支援金や給付金、貸付金を申請する

2-1.新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金を申請する(中小企業の社員である場合)
新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止の措置の影響により休業させられた中小企業の労働者のうち、休業中に賃金(休業手当)を受けることができなかった方に対し、当該労働者の申請により支給されます。
最大で、月額33万円の支給を受けられます。

支給の要件、支給額等の詳細は、以下のリンク先(厚生労働省)を参照願います。
https://www.mhlw.go.jp/stf/kyugyoshienkin.html

PDF資料はこちらを参照願います。※5月3日追記:資料が削除されましたのでリンクを外しました。
https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000646900.pdf

2-2.住居確保給付金の支給を受ける
収入金額及び預貯金額が一定の金額より少ない場合に給付金を受けられます。
給付金なので、返済する必要はありません。また、最長で9か月まで給付金を受けられます。

直近の月の世帯収入合計額が、市町村民税の均等割が非課税となる額の1/12(以下「基準額」)と、家賃(上限あり)の合計額を超えていないことが要件です。基準額は、扶養家族の数で異なります。
扶養家族0名:315,000÷12=26,250円      
    1名:819,000÷12=68,250円
    2名:1,134,000÷12=94,500円
    3名:1,449,000÷12=120,750円

詳細は、こちらのリンク先(厚生労働省)を参照願います。
https://corona-support.mhlw.go.jp/jukyokakuhokyufukin/index.html

2-3.その他の支援金・給付金・貸付金を受け取る
・ひとり親世帯への臨時特別給付金
・子育て世代への臨時特別給付金
・学生支援緊急給付金
・緊急小口資金・総合支援資金(貸付)
・国民健康保険料等の減免
・納税猶予,公共料金の支払猶予
があります。まとめた案内が内閣官房のホームページにあります。
https://corona.go.jp/action/

3.賃料が減額されたとはいえ、解雇される恐れがない場合は、より安い賃料の賃貸住宅を探す
引越費用や仲介手数料がかかりますので、ある程度の貯蓄がないと難しいかもしれません。今年の春先はコロナ禍により新規の入居者が少なく、都区内でも礼金ゼロ&敷金1か月の物件が増えています。