マンション、アパートにおける犯罪の防止に役立つこと(その3)

※昨日投稿した内容の続きです。

7.鍵の使い回しを行わない
 賃貸アパート・マンションにおいて、入居者が退去した際には鍵を返却してもらいます。この鍵および錠前を次の入居者に使い回すオーナー様がいらっしゃいますが、防犯上の観点からはお勧めできません。スペアキーを作成しているのにそれをオーナー様または管理会社に渡さない、または渡し忘れる入居者がいるからです。

 返却された鍵は、次の入居者を募集する際の内見に使用された後、新しい錠前に交換することが通常です。しかし、鍵の交換費用がかかるとして、錠前を更新しないオーナー様がいらっしゃいます。

 すると、次の入居者が空き巣または強盗の被害に遭うことがあります。以前の入居者が犯人であるとは限りません。いわゆるダークWEBの中に存在する、犯罪用ツールの売買を行うWEBサイトにおいて、このような鍵が売られ、犯行先を物色する輩が購入することがあります。

 入居者において空き巣、または強盗の被害が生じた場合、犯人が合鍵を使用して侵入したこと、および錠前の交換が行われていなかったことが明らかになると、オーナー様は賃貸借契約における安全に居住させる義務を果たさなかったとして損害賠償を請求されることがあります。

 そればかりか万が一侵入した強盗が入居者が死亡させた場合、事件が発生した物件は心理的瑕疵がある事故物件として扱われることになります。次の入居者を募集しようと思っても家賃をかなり下げないと入居者が決まらない状況になります。

 賃貸物件の入居者が退去した場合、錠前の交換は必須であると言えます。賃貸物件だけではなく、売買物件の場合も同様です。前の所有者が使用していた錠前は必ず交換する必要があります。

★ディンプルキーが最も安全ですが..
 錠前を交換する際には防犯性能が高く、普通の鍵屋さんでは複製できないディンプルキーがお勧めですが、賃貸物件の場合には利用しにくいと思われます。普通の鍵屋さんで複製できず、メーカーに発注する必要があるディンプルキーがありますが、複製に2週間~1か月を要するからです。

8.バルコニーを改修し、雨戸兼用型の防犯シャッターを取り付ける
 費用が発生しますが、バルコニーからの侵入を防止するには最も有効な手段であると考えられます。

 以前は合わせガラスや網入りガラス等が有効であるとされていましたが、火力が強力なバーナーで焼き切る侵入方法(焼き破り)が登場したことから、夜間および長時間の外出時における防犯効果の優位性は、以前より劣ると評価されます。

 合わせガラスおよび網入りガラスを雨戸兼用型の防犯シャッターと併用することにより、高い防犯効果を期待できるようになります。欠点は、相応の費用が発生することです。