暗証番号式のオートロックは危険視され始めています

 マンションのオートロックには様々な形式があります。オートロック専用の鍵またはカードキーで解錠するタイプ、部屋の鍵がオートロックと共用になっているタイプ、部屋の鍵に内蔵されている電波発信機で解錠するタイプ、暗証番号を入力して解錠するタイプ等があります。

 カードキーまたは鍵で解錠するオートロックの場合、入居者、オーナー、管理会社の関係者しか所持していないのが通常です。管理体制がしっかりしている管理会社では巡回や清掃以外の目的で鍵やカードキーを持ち出すことを禁止し、持ち出した場合は帰社した際に返却されるかを随時確認しています。

 問題なのは、暗証番号を入力することにより解錠するオートロックです。管理会社の管理担当社員を信用しないわけではないのですが、オートロックが暗証番号式であると管理会社の管理担当社員に鍵やカードキーを常時携帯させているのと同じことになります。

 共用玄関のオートロックを暗証番号で解錠するマンションにおいて、管理担当社員が暗証番号を利用して無施錠の部屋に侵入し、窃盗、強盗、強制わいせつ行為を行った事件が実際に発生しています。

 毎日新聞のWEBサイトから引用します。

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オートロックすり抜け侵入 元不動産会社員の事件から考える防犯対策

毎日新聞 2021/11/9 11:00
 オートロックの共用玄関をすり抜けるなどして元不動産会社員が強盗・強制性交等や逮捕監禁致傷などの罪に問われた事件。懲役23年の判決が確定した元社員は、不動産会社勤務で知った知識を生かして未明や夜間にマンション内に入り、鍵をかけ忘れた1人暮らしの女性の部屋に侵入を繰り返した。オートロックのマンションは安全なのか。事件から防犯上の注意点を考える。【平塚雄太、浅野孝仁】

 確定判決によると、元社員の原鉄平受刑者(38)は2011年11月~20年2月、いずれも福岡市内のマンションで1人暮らしの女性5人(当時10~30代)の部屋に侵入し、現金を奪ったり、ナイフで脅してキャッシュカードの暗証番号を聞き出したりして計約63万円を奪った。うち4人に乱暴やわいせつな行為をし、そのうち1人は両手を結束バンドで縛って全治5~7日間のけがをさせた。被害女性5人のうち4人の事件は19年10月~20年2月に集中した。

 公判での証言などによると、元社員は、勤務していた不動産会社の管理物件だったマンションに侵入。仕事上で知ったオートロックの共用玄関を解錠する暗証番号を玄関前のテンキーに打ち込むなどして中に入り、無施錠の部屋を探した。

~以下、略~

毎日新聞

 マンションの入居者の中にも問題行為を行う方が散見されます。通信販売で購入した商品を部屋の前に置き配してもらうために、「共用玄関のオートロックを暗証番号○○○○で開け、△△△号室の扉の前に商品を置いてください。」等と配送業者に指示する方がいます。

 このような行為が行われると入居者、オーナー、管理会社以外の第三者に共用玄関の暗証番号を知られることになり、事件が発生する原因になります。入居者以外に暗証番号を教える行為は共用玄関のオートロックを実質的に無効にする危険な行為ですが、これを理解できない方がいらっしゃいます。

 対策として、オートロックの暗証番号を毎月変更するマンションがあります。しかし、暗証番号が頻繁に変わることから入居者において現在の正しい暗証番号を思い出すことが出来ず、部屋に戻れなくなる事態が頻発しています。その結果、オーナー様および管理会社に対し、強いクレームが発生します。

 暗証番号式のオートロックは時代遅れである感が否めません。変更する際には相応の費用が発生しますが、経年劣化によりオートロック関連機器を更新する際、または大規模修繕の際にオートロックの解錠方法を変更することをお勧めします。これにより防犯対策を強化することができます。