東京都に緊急事態宣言が再び発出されました

 終息するまであと何回発出されるのかを考えると憂鬱になります。

東京都内の駅前は、小さな飲食店が多くひしめくところが大半
 今から約40年前の話になりますが、東京などの大都市の住宅地には商店街が至る所にありました。商店街と言っても数件の店舗が集まっているだけのところもあり、駅前通りに100店を超える小さい店舗が並ぶところもありました。食料品および日用品の大半はそれで賄える状況でした。

 その後、スーパーマーケットの台頭、大規模小売店舗の開業ラッシュ、安い輸入品の流入により駅前の商店街から物販店が激減し、代わりに飲食店が急増しました。その後、飲食店の急増に伴う価格競争を勝ち抜くためにはお酒を販売することが利益に繋がるとして、酒を出す居酒屋やスナックが増え、現在に至ります。

今回の緊急事態宣言は、前回までの緊急事態宣言とは様相が異なる
 新型コロナウイルスの感染者数が急増していることから緊急事態宣言が再び発出されました。発出に際しては飲食店で酒を提供することを全面的に禁止し、酒問屋に出荷をしないように要請し、さらに金融機関に対し融資している運転資金を引き上げるように要請することが検討されたとのことです。さすがに融資の引き上げ要請は撤回されたようです。

 これらの要請は酒問屋及び金融機関における営業の自由を侵害しますし、優越的地位の濫用を促す先例になります。それに法的根拠がなく、いくら何でもやり過ぎと言えます。

 オリンピックが開催され、人流が増えることにより飲食店の客足が伸びることを期待し、度重なる緊急事態宣言の発出に耐えてきた飲食店のオーナーは、オリンピックの無観客開催および緊急事態宣言により精神的に参ってしまいました。とどめを刺されたと言っても過言ではありません。

 特に、1都3県におけるオリンピックの無観客開催、および今回の緊急事態宣言の発出は突然決定されたことから、飲食店オーナーのストレスは急激に大きくなったと言えます。今後、廃業を真剣に考えるオーナーが急増することは間違いありません。

 飲食店を店子としている収益物件のオーナーも既に大きなダメージを受けています。家賃の大幅減額や支払の遅延にも目を瞑ってきていたオーナーが多いのですが、限界に近づいています。特にオリンピックが無観客開催になったことから客足の増加が見込めなくなったとして、店子に対して猶予していた賃料の支払、または退去を直ちに選択するように求めるオーナーが増えることが確実です。

 東京都内における店舗の賃貸借契約では、退去する場合は3~6か月前にオーナーに通知することを求めています。このため、飲食店のオーナーが廃業を決めても3~6か月は営業を続けるところが多いと思われますが、その後は一斉に閉店することが予想されます。その時期は年末~来年初めになると予想しています。

テナントに飲食店が入居する収益物件のオーナーへ
 酒を提供する飲食店が退去した場合、酒を提供する飲食店を新たに入居させることは、当分の間は得策ではありません。この新型コロナウイルス騒動は、少なくても来年の春までは続くと考えられるからです。ウイルスの活動は寒くなると活発化しますし、ワクチンの普及はかなり先になると思います。

 飲食店テナントが退去した場合には事務所テナントまたは医療施設(医院、調剤薬局、接骨院等)の誘致、広い場合は介護施設(ディケア)への転換を検討することをお勧めします。